日本スポーツ協会(JSPO)は22日、学生のスポーツ活動を支援する一般社団法人「スポーツを止めるな」と、女性スポーツ推進に関する包括連携協定を結んだ。 同法人は生理とアスリートに関する課題解決に取り組む「1252プロジェクト」を続けており…

 日本スポーツ協会(JSPO)は22日、学生のスポーツ活動を支援する一般社団法人「スポーツを止めるな」と、女性スポーツ推進に関する包括連携協定を結んだ。

 同法人は生理とアスリートに関する課題解決に取り組む「1252プロジェクト」を続けており、全国の中学・高校での出張授業、学生へのアンケートなどを実施している。今回の協定で、地道な活動で得た知見をJSPOが主催する国体(来年から国民スポーツ大会)で紹介したり、JSPO加盟団体との連携につなげたりする方向という。

 1年間52週のうち、女性には約12週で生理が訪れることが名称の由来。元競泳五輪代表でプロジェクトのリーダーを務める伊藤華英さんは、「学校現場に行くと『(生理のことを詳しく)知らなかった』という声を多く聞く。指導者に言っても分かってもらえないという学生たちの固定観念も課題です。当事者も指導者も男性も女性も、生理に関する正しい知識を持ってほしい」

 JSPOは2017年に女性スポーツ委員会を立ち上げ、女性の活動環境の改善に取り組んできた。森岡裕策・専務理事は今回の連携で「国全体の女性スポーツの改善を加速させたい」。室伏由佳・女性スポーツ委員長も「若い世代への浸透が課題。育成年代からアプローチしている1252プロジェクトとの連携は強みになる」と話す。

 「スポーツを止めるな」の最上紘太・共同代表理事は「JSPOさんと一緒にやることで、より多くのアスリートの悩みに気付けると思う。知り得ない課題が出てくれば、活動の質を高めていける」と相乗効果に期待している。(野村周平)