第76回全国高校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ=日本バスケットボール協会主催、朝日新聞社など特別協力)が23日、東京で開幕する。群馬県代表は、女子の市立前橋(2年ぶり20度目)が初日に聖和学園(宮城)と、男子の桐生第一(2年…

 第76回全国高校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ=日本バスケットボール協会主催、朝日新聞社など特別協力)が23日、東京で開幕する。群馬県代表は、女子の市立前橋(2年ぶり20度目)が初日に聖和学園(宮城)と、男子の桐生第一(2年ぶり4度目)は24日に岡山商科大付とたたかう。(川村さくら)

 市立前橋のスタメンの平均身長は164センチ。全国大会では170センチ以上の選手が多く、赤石和子監督は「出場校の中で一番低いのでは」と話す。スピードが持ち味で、モットーは「走るバスケ」。練習でも、水分は順番を待つ間に取りながら動き続け、体力をつけてきた。

 対戦する聖和学園はインターハイ8強。関口まお主将は「自分たちは小さい分、外からのシュートの確率が大切になる。確実に決めて、しっかり守れれば勝てない相手じゃないと思う」と強気だ。3ポイントシュートが持ち味の副キャプテン小室菜々子選手は「東京体育館という会場にのまれず、後悔のないように自分たちのバスケをやりきりたい」と笑顔を見せる。

 172センチとチームで最も背が高い2年生の戸塚妃莉選手がポイントガード(PG)を務める。パスを回してプレーを組み立てるPGは小柄な選手が多いが、市立前橋では「一番センスがある」(赤石監督)からだという。

 中学時代に桐生市のクラブチームで全国8強になったチームメートのうち、8人が今も市立前橋で一緒にプレーする。「3年生にいいシュートを打ってもらえるよう、いいパスを出したい」と意気込む。

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 桐生第一は2年前の県予選は準優勝だったが、群馬の出場枠が2枠あったため出場できた。今回は県予選で14年ぶりに優勝した。

 2018年から指揮する岡田研司監督が「エンジョイ!バスケットボール」をスローガンにやってきた。練習中は「うますぎ!」「いいステップ!」と常に選手同士が声をかけ、盛り上げる。週に2日、お盆や年末には1週間のオフもある。

 岡田監督は「バランスをとって楽しんでもらえる環境作りをしてきました。一生懸命やるなら騒いでいいよと話しています」。

 チームキャプテンの小畠迅翔(じんと)選手は「コミュニケーションを多くとるので、それがプレーにもいい影響を与えています」と話す。ゲームキャプテンの塩手颯斗選手は「寮で3年間生活して、バスケに没頭できる時間が多かった」という。

 キャプテン2人は愛知県、ポイントガードの2年生與儀幸也選手は沖縄県出身だ。岡田監督のもとでバスケがしたいと集まった。與儀選手は「こんなに楽しめるチームはなかなかない。1年生から積ませてもらってきた経験を生かしたい」。初戦に向け、落ち着いて話した。