男女60校ずつが出場する第76回全国高校バスケットボール選手権大会(ソフトバンクウインターカップ2023=日本バスケットボール協会主催、朝日新聞社など特別協力)が23日、東京都内で開幕する。女子の愛知県代表3チームを紹介する。(上山浩也)…

 男女60校ずつが出場する第76回全国高校バスケットボール選手権大会(ソフトバンクウインターカップ2023=日本バスケットボール協会主催、朝日新聞社など特別協力)が23日、東京都内で開幕する。女子の愛知県代表3チームを紹介する。(上山浩也)

■桜花学園、2大会ぶり25度目の頂点めざす

 2大会ぶりの頂点を狙う第1代表の桜花学園は、今年初めて主将2人制で過ごしてきた。ゲームキャプテンは田中こころ選手、チームキャプテンは黒川心音(ここね)選手(ともに3年)。試合と練習の仕切りなどを役割分担した新たな試みの集大成として、25度目の日本一をめざす。

 「ダブルキャプテンになったことで精神的な負担も少なく支え合えている。でも、2人だけでなく、3年生みんなで助け合っている感じ」と黒川選手。4連覇を狙った昨年は、まさかの3回戦敗退だった。田中選手は「先輩たちは『後悔だけはしないように』と。簡単なシュートは確実に決めるよう心がけるなど、普段の細かいところからみんなで徹底している」という。

 41年連続41回目の出場。井上真一監督は「夏までは3点シュートなど外からの攻めが多かったが、中からの攻めも加わってきた。もう少し守備力もつけば、優勝してもおかしくない」。全員で雪辱を果たす冬を迎える。

■星城「自分たちはチャレンジャー」

 第2代表の星城は、7年ぶり12回目の冬の大舞台に挑む。西込茉那主将(3年)は「ほかの愛知のチームに比べると星城の名前はまだ知られていないけれど、全国でも勝ち上がって星城も強いんだと見せつけられるようにしたい」と意気込む。

 全国中学校バスケットボール大会で県内の中学を率いて全国制覇をしたことがある鷲野鋭久監督が昨春、監督となりチーム強化に努めてきた。今年は桜花学園の全国高校総体などの成績から、愛知の出場枠は3校に増えていた。このため、鷲野監督は「選手が全国を経験するチャンスの年」と一層力を入れてきた。

 大林蒼空選手(2年)は兵庫県内の中学時代、監督が当時指導していた愛知県の弥富北中と全国大会で戦った。その時敗れた相手の監督の教え子となって全国へ。大林選手は「自分たちはチャレンジャー。受け身にならず、どんどん攻めていくようにしたい」。

■安城学園、先発2人は150cm台「スピードの強みいかす」

 第3代表の安城学園は、先発選手5人のうち3人が司令塔役のポイントガード(PG)をこなす。身長170センチ以上が並ぶ大型チームだった昨年から一転、今年の先発には150センチ台が2人。西田美咲主将(3年)は「3人のうち誰がボールを持ってもゲームメイクできるから、速攻に移りやすい」。攻め方の豊富さも武器だ。

 7年連続11回目の出場。偶然にも、昨年同様に1回戦に勝つと、2回戦は強豪・大阪薫英女学院と対戦する。昨年は67―98だった。組み合わせ発表後、選手たちは「また?」と驚いたが、堀智美監督は「すぐに『今年こそやってやろう』という雰囲気になった」。

 初戦の相手、鵬学園(石川)にも190センチ台の留学生がいるが、西田主将とともにPG役を担い、いずれも157センチの3年生、玉山寧々、三浦心愛の両選手は「小さくてもスピードの強みを生かす。薫英戦も通過点にする」と口をそろえる。