全く関係ないようで、実は有馬記念(3歳上・GI・芝2500m)と切っても切れない関係にあるのが主要国首脳会議、いわゆるサミットである。今年5月、広島市で開催され各国首脳が集い、その模様は連日ニュースをにぎわせた。グレード制が導入された8…

 全く関係ないようで、実は有馬記念(3歳上・GI・芝2500m)と切っても切れない関係にあるのが主要国首脳会議、いわゆるサミットである。今年5月、広島市で開催され各国首脳が集い、その模様は連日ニュースをにぎわせた。グレード制が導入された84年以降、日本でサミットが開催されたのは86年、93年、00年、08年、16年の5回。それぞれの年の有馬記念を振り返ると、注目すべき2つの傾向が出てきた。

 最初に注目したいのはステップレースだ。前走別の成績を見ると、菊花賞組が[2-1-0-3]、ジャパンC組が[1-4-4-18]の好成績。対照的にGII以下は[0-0-0-24]と1頭も馬券に絡めていない。さすがはサミット開催年だけあって、主要国ならぬ主要ローテが圧倒的に優位に立っているのだ。

 もう一点、要注目は中山実績だ。2桁人気で馬券に絡んだのは、86年2着ギャロップダイナ(11番人気)、93年3着ナイスネイチャ(10番人気)、00年3着ダイワテキサス(13番人気)、08年2着アドマイヤモナーク(14番人気)、08年3着エアシェイディ(10番人気)の5頭。そのうちダイワテキサス、アドマイヤモナーク、エアシェイディの3頭は同年の中山芝の重賞で3着以内の実績があった。また、ギャロップダイナとナイスネイチャは同年の中山芝の重賞を走っていなかったが、前年の有馬記念でそれぞれ5着、3着。つまり、5頭全てが中山巧者だったということ。地元の日本でサミットが開催された年だけあって、地元・中山での良績が求められるのは納得がいくところだ。

 以上のデータを基に今年の出走予定馬を精査しよう。前走がGIだった馬のうち、今年の中山芝重賞で好成績を残しているのはスルーセブンシーズ、ソールオリエンス、タイトルホルダー、タスティエーラの4頭。その中でもイチ推しは、下馬評が低めのスルーセブンシーズだ。父ドリームジャーニーはサミット開催年の08年有馬記念に7番人気で出走。3着にハナ差及ばずの4着だったが、娘が高配当をもたらしてくれることを期待したい。