6月に行われた関東大会で優勝を飾ったものの、全国的に見れば日本航空高校(山梨県)の下馬評は決して高くなかった。それでも、いざ…

 6月に行われた関東大会で優勝を飾ったものの、全国的に見れば日本航空高校(山梨県)の下馬評は決して高くなかった。それでも、いざインターハイが開幕すると破竹の勢いでトーナメントを駆け上がり、山梨県に初の日本一をもたらした。

 今春からチームの指揮を執る山本裕コーチは、インターハイ制覇の要因をこう分析する。

「準決勝や決勝の舞台でも舞い上がらずにプレーできていました。地に足をつけて笑顔でコートに立っていたので、改めて選手たちの心の強さを感じましたね」

 日本航空には、オールラウンドにプレーできる2メートルのオルワペルミ・ジェラマイア(2年)が攻守の要として君臨。ジェラマイアはインターハイでも相手の脅威となり優勝の立役者となった。

 彼以外にも主将を務める福岡恭輔(3年)や司令塔の大道一歩(2年)、シュート力のある藤野仁喜(3年)、中西哲太(2年)などがチームをけん引。ジェラマイアを除けば170センチ台の選手が並ぶが、サイズをカバーする緻密なゾーンディフェンスも相手にとっては厄介だ。

 夏以降は主にディフェンス面を強化し、マンツーマンでもしっかり守れるように練習を重ねてきたと山本コーチは言う。ウインターカップへ向けては7、8人目以降のベンチプレーヤーの台頭も大きなポイントになると口にした。

 堅守速攻に磨きをかけて乗り込むウインターカップは、第1シードから夏の再現を狙う。「追われる立場でもチャレンジャー精神を忘れず、楽しんでプレーしたい」と福岡が言うように、自然体で伸び伸びとプレーできた先に夏冬連覇の偉業が待っている。

取材・文=小沼克年