今週も引き続き「中山・阪神・中京」の3場開催。  重賞は、土曜日に牝馬のハンデ戦・ターコイズS(GIII・中山・芝1600m)。日曜日に朝日杯FS(GI・阪神・芝1600m)が行われる。  過去10年データを使って馬券ヒントを見つけるこ…

 今週も引き続き「中山・阪神・中京」の3場開催。

 重賞は、土曜日に牝馬のハンデ戦・ターコイズS(GIII・中山・芝1600m)。日曜日に朝日杯FS(GI・阪神・芝1600m)が行われる。

 過去10年データを使って馬券ヒントを見つけるこのコーナー。今週の注目は、来年のクラシック戦線を占う意味でも重要な一戦・朝日杯FSの馬券の狙いどころを探していこう。

*今回のデータは13年・中山開催も含む過去10年分となります。

1.上位人気はそれなりに信用できる?

 いつものようにまずは上位人気馬のチェックから。朝日杯FSでの1番人気馬は過去10年で4勝。昨年はドルチェモアが勝っている。成績は【4-2-2-2】で馬券圏内率80パーセントとかなり良い数字。馬券軸としては信用度高いといえるだろう。

 一方、2番人気馬は2勝、成績は【2-3-1-4】で馬券圏内率60パーセント。こちらも成績としてはまずまず良い。3番人気馬は1勝、成績は【1-1-2-6】。やはり人気が下がるほど順当に成績は下がる。

 上位3頭の人気馬以外での勝利は、4番人気1勝、6番人気1勝、7番人気1勝。先週の阪神JFでは「上位5番人気までの馬」しか勝っていなかったが、こちらは「上位7番人気までの馬」が勝っていることになる。だが2ケタ人気薄馬の勝利はここまでほとんどない。

2.ヒモ荒れは可能性大、中波乱なら期待あり?

 勝つのは上位7番人気まで。しかし2着、3着には人気薄の馬が絡むこともある。過去10年、なぜか8番人気馬だけは一度も馬券になっていないが、9番人気以降の馬は5頭が馬券圏内になっている。

 19年 3着グランレイ(14番人気)
 18年 2着クリノガウディー(9番人気)
 16年 3着ボンセルヴィーソ(12番人気)
 15年 3着シャドウアプローチ(11番人気)
 14年 2着アルマワイオリ(14番人気)

 グランレイは前走が未勝利戦(京都・芝1400m)1着での人気薄。だが、ボンセルヴィーソは前走GIIデイリー杯2歳S2着、シャドウアプローチは前走GII京王杯2歳S3着、アルマワイオリは前走GIIデイリー杯2歳S4着と、それぞれ前走は重賞で好走していた。

 一方、クリノガウディーだけは前走GIII東京スポーツ杯2歳Sで12番人気7着から。全体的にみれば、前走好走している人気薄は2、3着要員としては押さえても面白いということだろう。ちなみにこの5頭はすべて関西馬。穴馬狙うならばやはり関西馬なのかも?

3.前走はどこからが狙いに?

 朝日杯FS好走馬たちの前走ローテはかなり多岐に及んでいる。ということで「前走○○からが良い」という絞り込みは難しい。

 1着馬だけにしても、前走2歳新馬戦勝ち(15年リオンディーズ)、前走2歳未勝利戦(20年グレナディアガーズ)という経験浅い馬もいれば、前走500万条件(現1勝クラス)からも3頭いる。さらに前走GIIIサウジアラビアRCからが一番多くて3頭、前走アイビーSが1頭、前走GIIデイリー杯2歳Sからも1頭という幅広さ。つまりは勝馬からして、前走はどこからでもオーケーという感じなのだ。

 ただし前走がどこからであろうと「1着」ということのほうが重要だろう。近4年の馬券圏内12頭中11頭が「前走1着馬」である。過去10年の馬券圏内30頭、前走1着でなかった馬はわずか6頭しかいない。

4.枠の有利不利はあるの?

 昨年時の過去5年では、5枠までの馬しか馬券になっていなかった。しかし昨年、勝ったのは1枠馬だが、2着は6枠、3着は7枠。内枠圧倒のパターンは少々薄れてしまった。

 さらに過去10年の全体像を見ればさほど枠順に有利不利はない。勝ち馬が出ていないのは2、6、7枠だが、それらの枠は2、3着馬が多かったりもする。

 昨年まで4年連続で馬券になっていた4枠も、昨年不発で継続ストップ。まあ「やや内枠のほうが優位」という感じくらいの判断でいいのだろう。

 あとは、阪神競馬場開催になった過去9年は、関西馬勢が優勢。過去9年の馬券圏内27頭中関西馬は20頭。過去3年は関西馬のワンツー決着が続いている。

 以上のデータを総合すると、今年も「迷ったら前走1着の内枠の関西馬」ということになりそう。1枠1番エコロヴァルツ、2枠3番ジャンタルマンタルなどは良い位置に入ったといえる。

(netkeiba編集部)