17日に阪神競馬場で行われる、第75回朝日杯フューチュリティステークス(2歳・牡牝・GI・芝1600m・1着賞金7000万円)。2歳マイル王を決める1戦に17頭が集結した。  ここではパドック派の予想家であり馬体を見るプロである古澤秀和…

 17日に阪神競馬場で行われる、第75回朝日杯フューチュリティステークス(2歳・牡牝・GI・芝1600m・1着賞金7000万円)。2歳マイル王を決める1戦に17頭が集結した。

 ここではパドック派の予想家であり馬体を見るプロである古澤秀和氏に、出走各馬を馬体の観点を中心に展望してもらった。11月のファンタジーS(GIII)では15番人気1着のカルチャーデイに本命を打つなど、2歳戦を得意とする古澤氏の見解は――。

◆筋肉の実の入りが素晴らしい

 先週の阪神JFでも書きましたが、2歳戦の馬券戦略で重要になってくるのは「完成度」と「絶対能力」です。もちろん、当日の馬場などの適性的な要素も重要ですが、それ以上にこの2項目は重要になってきます。昨年の場合、その後は振るいませんでしたが、完成度が高かったドルチェモアがダノンタッチダウンの追撃を振り切って勝利しました。他の要素も当然絡んできますが、ここではこの2点に注目して検討していきたいと思います。

◎ジャンタルマンタル
 能力ももちろんかなり高いですが、この時期の2歳馬としては完成度が非常に高いです。馬体もそうですが、調教やレースでの走りなんかも軸のブレが少なく、非常に力強いです。馬体は筋肉の実の入りが素晴らしく、それでいながら皮膚も薄く見せて非常に良く見せます。ツナギが長く、造りもゆったりしているので、マイラーというわけではありませんが、完成度でマイルでも一枚抜けている印象です。

○オーサムストローク
 牡馬としてはやや小柄ながらも、トモを中心とした筋肉が発達していて、ひ弱さがないのが特長です。ツナギや脚はやや短めですが、胴がゆったりしている分、距離も問題なくこなせます。血統や筋肉の質的に今の阪神の馬場も合いそうです。能力はここでも通用しますし、まず上位争いに持ち込めると思います。

▲シュトラウス
 造りにはゆとりがあり、距離は中距離が合いそうな馬体。ただ、気性的に行きたがるところがあるので、現状はマイルの方が良さそうです。質の良い筋肉がしっかりと付いてどっしりと見せますし、太目感もなく、これまででは一番仕上がりが良さそう。パワーのいる馬場になれば更に良いでしょう。

△エンヤラヴフェイス
 使いながらグングン良くなっています。トモの丸みが増してきて、後肢の力強さがグンと良くなっています。柔軟な筋肉の質も良いですし、母父の影響が良く出ていると思います。前走で馬群を割って伸びた内容も良く、このメンバー相手でも通用するでしょう。枠は内が良いと思います。

注エコロヴァルツ
 新馬、コスモス賞と連勝。父の影響が良く出ていて、無駄のない馬体ながらも筋肉が張り詰めていて、その質感も強そうです。素質は高いと思います。立ち姿が力強く、馬格も程よいです。ここで一気に相手が強くなりますが、チャンスは十分ありそうです。

☆ダノンマッキンリー
 モーリス産駒で筋肉量が多く、好馬体ですが、ツナギが短く胴も詰まっているので距離は1400mくらいまでがベストでしょう。後方で溜められるので、2歳馬同士ならこなせても良いでしょうが、相手も強いのでここは少し過剰人気に思えます。能力でどこまでやれるかというところでしょう。

 その他、完成度高く、マイル適性も高そうなセットアップ、バランス良い好馬体のサトミノキラリ、前走が不満も能力は高いものを持っているミルテンベルクあたりも警戒しておきたいです。

 馬券的には、現状は◎○のワイドや、そこからの3連馬券に絞って勝負したいと考えています。特に△エンヤラヴフェイスと注エコロヴァルツは面白いと思います。

※この記事はあくまで木曜時点での見解です。