テニス全米オープン車いす部門男子ダブルスで優勝した真田卓選手(38)=TOPPAN所属=に12日、栃木県知事特別表彰が贈られた。3回目の受賞となった真田選手は「今後もみなさんに元気と勇気を与えられるような、いい成績をおさめたい」と語った。…

 テニス全米オープン車いす部門男子ダブルスで優勝した真田卓選手(38)=TOPPAN所属=に12日、栃木県知事特別表彰が贈られた。3回目の受賞となった真田選手は「今後もみなさんに元気と勇気を与えられるような、いい成績をおさめたい」と語った。

 大会でフランスのステファン・ウデ選手と組んだ真田選手は、6―4、6―4のストレートで勝利し初優勝。「やっとタイトルが取れたな」。優勝の瞬間、そんな思いが頭に浮かんだといい、ウデ選手とは「ありがとう」「いいコンビネーションでプレーできたね」とたたえあった。

 大会をめぐっては車いすが破損したり、脱水症状で倒れたりとトラブルが続いたという。そうした中、真田選手は選手としての長い経験を生かして冷静に対応することができたといい、「困難があっても優勝するにはどうすればいいか、最善のことを考えて行動できたことが一番の勝因だったと思う」と振り返った。

 真田選手は那須塩原市生まれで、現在はさいたま市在住。19歳の時、バイク事故で右ひざから下を切断した。中学時代はソフトテニスで県大会ベスト4の実績があり、体を動かそうと始めた車いすテニスに打ち込むようになった。

 来夏のパリで4度目のパラリンピック出場を目指す。真田選手は報道陣に「活躍する姿をみなさんに見ていただいて、気づきや勇気を持てること、何かを始めるきっかけの原動力、最初の一歩に影響すればいいなと思っています」と抱負を語った。(石原剛文)