いよいよ2023年のJRA開催も残すところ、あと5日間となった。年齢的なことで新馬戦が「2歳新馬」から「3歳新馬」に変更となるが、それ以外にも年が明けることで違ってくるものがあることをご存じだろうか。  それが本賞金。2歳新馬は1着賞金…

 いよいよ2023年のJRA開催も残すところ、あと5日間となった。年齢的なことで新馬戦が「2歳新馬」から「3歳新馬」に変更となるが、それ以外にも年が明けることで違ってくるものがあることをご存じだろうか。

 それが本賞金。2歳新馬は1着賞金が720万円だが、3歳新馬になると1着賞金は620万円となる。たかが100万、なのか、されど100万なのかは馬主になってみないと分からない気持ちかも知れない。ただ「勝っても14%のダウン」という現実なら、年内にデビューさせたいということになるのではないだろうか。

【12月16日(土) 阪神芝1200m】

◆ラブコメディ(牝、父No Nay Never、母Sweet Charity、栗東・寺島良厩舎)

 外国産馬ということで、○混レースへの出走しかできないことに加え、年明けの京都開催には芝1200mの新馬戦がない。小倉開催が始まれば、○混の芝1200mはあるものの、最短で1月21日だから、寺島良調教師の「ここに照準を定めて」という言葉は納得だ。

 本馬は11月23日のゲート試験に合格した後も栗東に在厩して調整。11月28日から追い切りを開始して、11月30日のCWではラスト1F11.6秒をマーク。そして、1週前追い切りとなる12月7日のCWではレースで騎乗予定の岩田望来騎手が跨っての3頭併せ。一番後ろから追いかけて、6F83.1秒の全体時計で2頭を大きく引き離して先着した。3F36.8秒は通った位置を考慮しても高く評価できる数字。かなりポテンシャルの高い馬であることは間違いないだろう。

◆マーブルマウンテン(牝、父Soldier's Call、母Maralika、栗東・田中克典厩舎)

 父は現役時代に芝1000mの重賞を2勝。G1ではナンソープS2着やキングズスタンドSとアベイドロンシャン賞で3着といった実績を残している。

 本馬は7月28日にノーザンファームしがらきから栗東へ入厩。8月11日にはゲート試験を合格し、その後は同牧場へ戻って再調整。11月16日に栗東へ戻ってくると、順調に追い切りを消化して、12月7日のCWでは古馬2勝クラスを追走し併せ馬で同入。6F82.8秒と2週前追い切りの時点でマークした85.4秒の時計を大きく詰めてきた。なお、鞍上はB.ムルザバエフ騎手が予定されている。

【12月17日(日) 阪神芝1800m】

◆シルバーカレッジ(牡、父エピファネイア、母シルバーポジー、栗東・武幸四郎厩舎)

 母系にはトゥザヴィクトリー(父サンデーサイレンス)、トゥザグローリー(父キングカメハメハ)、デニムアンドルビー(父ディープインパクト)といったGI、重賞実績のある馬がズラリとそろっている。

 本馬は8月9日にノーザンファームしがらきから栗東へ入厩。8月30日にゲート試験を合格すると、放牧に出て再調整。11月9日に栗東へ再入厩すると、坂路とCWを併用して追い切りを順調に消化。12月6日のCWではC.ルメール騎手が跨り、重賞ウイナーのライトクオンタムを追走して同入。6F86.5秒、1F11.9秒という時計をマークしている。

【12月17日(日) 中京芝2000m】

◆ミッドナイトホーク(牡、父リアルスティール、母レディホークフィールド、栗東・四位洋文厩舎)

 おばにコロネーションSなどG1で2勝を挙げたLillie Langtry(父Danehill Dancer)がいる血統。半姉レディズビーク(父ドゥラメンテ)は中京芝1600mの未勝利を勝ち上がっている。

 本馬は11月2日のノーザンファームしがらきから栗東へ入厩。11月15日にゲート試験を合格し、その後も在厩して調整。CWでの追い切りを中心に入念に乗り込まれており、週中にはレースでも騎乗予定の富田暁騎手が跨っての追い切りを数多く消化。12月6日の1週前追い切りでは、CWで新馬を追走して先着。3F時計も週を追うごとに詰めてきており、まだ良くなりそうな気配がある。

(取材・文:井内利彰)