2008年に創設された比較的歴史の浅い重賞競走だが、中央競馬で行われている唯一のダート1200mの重賞競走。そのため、力の比較が難しい。中山競馬場ダート1200mコースは芝コースからスタートし、なだらかに坂を下りて最後に急坂。スピード能…

 2008年に創設された比較的歴史の浅い重賞競走だが、中央競馬で行われている唯一のダート1200mの重賞競走。そのため、力の比較が難しい。中山競馬場ダート1200mコースは芝コースからスタートし、なだらかに坂を下りて最後に急坂。スピード能力が最優先であることは間違いないが、スピードだけでは乗り越えられないタフなコースだ。

 ◎リュウノユキナは昨年、一昨年の2着馬。年が明ければ9歳となるが、今年もダートグレードの東京スプリントに勝ち、東京盃2着。前走JBCスプリントは3着だったが、3〜4角の勝負どころで何度かカラ馬の影響を受けて思うような競馬ができなかった。それでもリメイクにこそ交わされたが、最後までしっかりと伸びたのは力の証明ともいえる。500キロ超える大型馬とはいえ58kgは他馬と比べてややマイナスだが、昨年の大和Sで経験済み。国内のダート短距離戦では約3年も大きく崩れておらず、その堅実性は大きな武器だ。軸はこの馬としたい。

 〇テイエムトッキュウは初の実戦ダートとなった初春Sを58kgで逃げ切り勝ち。前半3ハロンを33.2秒で行ったために最後は脚があがったが、それでも2着以下に2馬身半。脚抜きの良い馬場になった千葉Sは勝ち馬の決め手に屈したが、京葉Sは前半を33.7秒で行って2着馬に3馬身差。前走は5着とはいえ、勝ち馬からは0.1秒差なら悲観する内容ではなかった。デビューから芝路線を歩んできた馬だけに、スタート部分が芝コースとなる中山ダート1200mは個性が生きる舞台。同型馬との兼ね合いがポイントになりそうだが、スピードは一枚上の印象がある。
 
 ▲タガノクリステルは、重馬場で行われた「ながつきS」を好タイムで優勝した。未勝利脱出まで9戦を要した馬だが距離短縮で素質が開花。ダート1400m以下では【3-2-4-4】。どちらかといえば脚抜きの良い馬場に良績が集中しているとはいうものの、前走は中1週のローテーションに加えて、1番枠でやや躓いたために道中で息が入らなかった。巻き返しに期待したい。

 △アイスリアンは初風S優勝馬。外枠で競馬がしやすかったとはいえ、久しぶりの中山競馬場ダート1200mで持ち味である自在性が生きた内容だった。前走も53kgのハンデに恵まれたとはいえ、勝ち方は鮮やかだった。秋以降の充実は本格化を感じさせるものでもあった。

 休み明けでもこの舞台で4勝を記録している△スズカコテキタイと一昨年の3着馬△オメガレインボーも展開ひとつで侮れない存在になりそうだ。