日本体育大学の注目選手を紹介。今回は剣道部所属の瀧博之選手を取り上げる。日体大の部活動の中でも厳しいことで知られる剣道部。明治33年に発足された歴史ある部で、これまで数多くの大会で表彰台に上がっている。そんな剣道部に所属する瀧選手は一体どん…

日本体育大学の注目選手を紹介。今回は剣道部所属の瀧博之選手を取り上げる。日体大の部活動の中でも厳しいことで知られる剣道部。明治33年に発足された歴史ある部で、これまで数多くの大会で表彰台に上がっている。そんな剣道部に所属する瀧選手は一体どんな人物なのか、剣道についての思いなど深掘りしていく。

・名前 :瀧 博之
・身長 :170cm
・所属 :日本体育大学 剣道部
・出身校:初芝立命館高等学校

▶︎剣道との出会い

彼が剣道を始めたのは小学3年生の頃からで、テレビで初めて剣道を見たその瞬間から強い憧れを抱いたと語る。そこから地元の道場で剣道を習い始め、中学校で剣道部に所属、高校では初芝立命館高等学校の体育科に進学し、剣道部の主将を務めていた。
「高校は本当に毎日剣道しかしてなかったですね」と笑顔で語った。ずっとやっていて飽きたりする事はないかと聞くと、「ないですね、逆に毎日が新しい発見でずっとやっていたいです」と、日々剣道への情熱が高まっていると語った。

▶︎瀧選手が語る、剣道の魅力とは

日本の伝統武道である剣道は、稽古を続けることで心身を鍛錬し人間形成を目指す「武道」であり、 理念や心構えといった思想を大事にしている。また礼儀作法も非常に大切にしており、日体大剣道部員は非常に礼儀正しいという印象だ。
彼に剣道の魅力は何かと聞いてみると、「ただかっこいい、侍を感じますよね」と語った。剣道の歴史はとても深いがその根源にあるのは日本刀の出現である。まさしく彼が言う「侍」が起源であり、剣道の根源に強い魅力を感じているそうだ。
剣道をしている彼は普段の性格からは想像がつかないほど別人となり、稽古に励んでいる。打ち込み稽古をしている様はまさに侍そのものだった。

▶︎日体大への進学

大阪の高校から日体大へ進学。慣れない場所で大変な思いをしているのではないかと思ったが、彼の周りは笑顔で溢れていた。ここはやはり関西人の強みであり、ムードメーカー的な存在で周囲にいる仲間を常に笑わせている。彼の存在が剣道部を明るくしていると言っても過言ではないだろう。
なぜ遠く離れた日体大へ進学したのか尋ねてみると、「日本の大学では知名度がかなりいい方で、日体大で剣道をしたかったから」と語った。日体大に入って変わったことを聞いてみると、生活環境がガラッと変わったとのこと。
日体大の剣道部はほとんどの部員が寮に入り生活をしている。寮での生活については、「もちろん大変ですよ、特に上下関係とか、でもそれ以上に楽しいことばかりですね」と、部活動ならではの上下関係に悩まされていることを明かしながらも、笑顔で語っている姿が印象的だった。

▶︎剣道中心の生活

「僕にとって剣道は生活の一部です」

幼い頃から剣道が当たり前のように生活の中に組み込まれていた彼にとって、剣道がない日々は非日常になってしまうのだろう。「練習しないと体が落ち着かない」と剣道への熱を感じさせるコメントも残し、剣道一筋なのがひしひしと伝わってきた。週に6日ある部活動以外でも自身の身体トレーニングを欠かさず行っており、剣道に対する強い思いが伝わってくる。
ここまで剣道を続けられる理由について「自分が不自由なく剣道を続けて来れたのも1番の理解者である両親のおかげなので、本当に感謝しています」と両親への感謝も明かした。両親は小さい頃から道場への送り迎えや、試合の日のお弁当、応援など精一杯のエールを常に送っていてくれた。そんな両親の支えが、彼が剣道を続けるモチベーションとなっている。

▶︎将来の夢と直近の目標

将来は学校の先生となって子供たちに剣道を教えることが夢だと語る。また「幸せに暮らすためにお金を多く稼ぎたい」と堅実な一面を見せた。ユーモアがあっていつも笑顔な彼であれば生徒から慕われる先生になることは間違いないだろう。直近の目標は何かと聞くと、「レギュラーになること」と力強い返答が返ってきた。
これまでの剣道人生でも数多くの勝負に勝利してきた彼であれば、強豪である日体大の剣道部でもレギュラーを勝ち取り、チームを引っ張っていける存在になるのも時間の問題ではないだろうか。彼がレギュラーになって表彰台に登っている姿を見るのが非常に待ち遠しい。

(取材・文:園部 丈太朗)