実業団などで構成された卓球の日本リーグの今季後期大会で、日鉄物流和歌山支店(和歌山市湊)を拠点とする「日鉄物流ブレイザーズ」が男子1部で優勝し、昨年に続く後期大会の連覇を達成した。9日からは岐阜市で上位4チームによるプレーオフがあり、20…

 実業団などで構成された卓球の日本リーグの今季後期大会で、日鉄物流和歌山支店(和歌山市湊)を拠点とする「日鉄物流ブレイザーズ」が男子1部で優勝し、昨年に続く後期大会の連覇を達成した。9日からは岐阜市で上位4チームによるプレーオフがあり、2020年以来の総合優勝をめざす。

 リーグ1部には8チームが参加していて、前期と後期のそれぞれで優勝を争う。試合の形式は、シングルス4試合とダブルス1試合の団体戦。前後期のそれぞれの優勝チームと、前後期の総合順位が高かったチームの計4チームがプレーオフ「JTTLファイナル4(内閣総理大臣杯)」に進出する。

 日鉄物流ブレイザーズは、今季前期大会は4勝3敗で3位だった。杉井孝至監督は「相手に打ち勝つという気持ちを選手たちが試合で出せていなかった」と見ていた。

 そこからチームは、愛媛県で11月にあった後期大会で粘り強く戦うことができた。

 象徴的だったのがケアリッツ・アンド・パートナーズとの試合。シングルス2試合とダブルス1試合を終え、1―2と劣勢だった。後がない4試合目のシングルス。藤村友也選手の対戦相手は、東京五輪の卓球男子団体銅メダルの丹羽孝希選手だった。

 藤村選手は、過去の対戦で丹羽選手から1ゲームも取ったことがなかった。「過去の対戦は関係ないと藤村に伝えた」と杉井監督。藤村選手はラリーで一歩も引かず、強打で相手を下した。5試合目のシングルスで高見真己選手も勝ち、逆転勝ちした。杉井監督は「選手たちは物おじせずに戦えた」と振り返った。

 精神面を鍛えるために練習に取り入れていることがあるという。

 練習の最後に選手全員でチームの目標を言葉に出す「唱和」だ。練習場の壁には選手一人ひとりの今年の目標を書いた紙も貼っている。仕事と卓球とを両立させ、目標を達成しようという意識づけにつながっている。

 プレーオフの出場は4年連続だ。昨年はシチズン時計に敗れて準優勝だった。松下海輝キャプテンは「対戦する相手をイメージして練習している。今年は優勝を勝ち取れるようにがんばりたい」と語った。(伊藤秀樹)