こちらテニマガ編集部、本日から編集部は福島県会津若松市に入り、南東北インターハイの取材開始です!先週末の全国小学生大会に続き、インターハイ、インカレ、全日本ジュニア、全中、ユニバーシアード、全米と大きな大会が続きます。8月1日はインターハイ…

こちらテニマガ編集部、

本日から編集部は福島県会津若松市に入り、

南東北インターハイの取材開始です!

先週末の全国小学生大会に続き、インターハイ、

インカレ、全日本ジュニア、全中、

ユニバーシアード、全米と

大きな大会が続きます。

8月1日はインターハイ開会式が

會津風雅堂で行われました。

男女各51校の全選手、監督が勢ぞろいし、さらに

父兄や各校関係者、

応援団の皆さんが一堂に会しました。

本日の開会式の模様は

テニスデイリー(高校特集)の高校ニュースに掲載。

ここでは開会式の中で、生徒を代表し、

「歓迎のことば」を述べた

福島県立会津高等学校の上島花菜さん(2年)を

紹介しましょう。

壇上に上がり、透き通った美しい声で、

心のこもったスピーチを披露した上島さん。

そのことば、その声に、

うなずきながら聞いている人たちがたくさんいました。

以下は原稿全文です。

これを見ずに、自分のことばで

淀みなく伝えきりました。

◇   ◇   ◇

 全国各地から、「テニス」という競技を通じて、数々の熱い戦いを勝ち抜いてきた選手の皆さん、そして大会役員、選手関係者の皆さん、ようこそ福島へ、そして会津若松へ、よくきらったなし。

 ここ、会津若松は鶴ヶ城をシンボルとする城下町で、青々とした山に囲まれた盆地です。空気がおいしいなと感じられた方もいるのではないでしょうか。また、こづゆや鰊の山椒漬けなど伝統的な食べ物やソースカツ丼、カレー焼きそば、喜多方ラーメンなど美味しいものもたくさんあります。この会津の風土を表す言葉に「会津の三泣き」というものがあります。会津に初めて来た人はよそ者に対する会津人のとっつきにくさに、まず一泣きします。やがて会津での生活に慣れてくると、温かな心に二泣きし、去るときには、情の深さに心を打たれ、離れがたくて三度目の涙を流すといいます。私たち会津っぽは、少し人見知りのところはありますが、皆さんを心から歓迎しています。

 皆さんは2013年にNHKで放映された「八重の桜」を覚えていますか。

「ならぬことはならぬものです。」新島八重が凛とした姿で、心の支えにした会津藩校日新館の教えは、今も全六条の「あいづっこ宣言」として、小中学校や地域の教育の礎となっており、子どもたちはそれを守って生活しています。私たちはその教えを守り、規律正しく、誠実に皆様をお迎えしたいと思っています。そして、その第六条は「夢に向かってがんばります。」です。この会津の地で、選手の皆さんは夢の実現を目指し、全力を尽くしてください。

 東日本大震災から六年がたちました。まだまだ復興への道のりは長く、険しいものがありますが、福島県は県民全体が、ひたむきに復興に向けて一歩一歩前進しています。その復興の真っ只中に、福島県でインターハイテニス競技が行われることをとてもうれしく思います。私たちは、震災を通し、当たり前の生活のありがたさ、人と人とのつながりの大切さに気づかされました。選手の皆さんは。この地を踏むまでに関わってきた人への感謝の気持ちを忘れずに、最大限の力を出してください。皆さんはテニスという素晴らしい競技に出会い、愛してきたと思います。「繋がる絆 魅せよう 僕らの若き力」というスローガンのもと、ぜひその力を、その愛を、ここ福島の会場でぶつけてください。補助役員一同、今日までの準備に自信をもって、皆さんをサポートします。

 それでは皆さん「 あしたから きぃつけて がんばってくなんしょ 」

◇   ◇   ◇

スピーチを終えた上島さんにインタビューしました。

上島さんは、中学でソフトテニスを3年、

現在の会津高校では硬式テニスを1年半続けたあと、

将来の夢であるアナウンサーを目指し、

社会弁論部に移って、

現在は弁論活動をしているそうです。

テニスを続けてきた中で、

全国大会に出場することが

どれだけたいへんなことかがわかるので、

それを果たした選手の皆さんに、

歓迎のことばをどのように贈ろうか、

「皆さんに、よく来てくださいました

という想いを伝えたくて」

この原稿を書いたそうです。

1ヵ月前に原稿が完成し、その後は、

自宅や学校で何度も声を出して練習。

そのとき、作った原稿どおりに読まないようにし、

想いを伝えることを大切にしました。

一番伝えたかったこと。それは、

「東日本大震災から6年が経って、

福島は今、どんな感じか、

どんなふうになっているんだろうと

思っている人も結構いると思うんです。

私たちはここまで復興してきたんだという、

元気を見せたくて、

元気にスピーチしようと思いました」と上島さん。

出来栄えはいかに?

「皆さんの顔がニコニコしていたり、

うなずいてくれたりして

伝わったかなと思いました」

私たちは福島のこと、会津のこと、

そしてその会津で、選手たちを迎える

地元高校生たちのことを

上島さんのことばで感じることができました。

明日からの一週間、

日々もっと感じることができるでしょう。

楽しみにしています。

"あいづっこ"上島さんの夢もいつか叶いますように。

資料

あいづっこ宣言

一 人をいたわります

二 ありがとう ごめんなさいを言います

三 がまんをします

四 卑怯なふるまいをしません

五 会津を誇り年上を敬います

六 夢に向かってがんばります

 やってはならぬ やらねばならぬ

        ならぬことはならぬものです

競技は明日2日より、団体戦からスタートします。

会場は会津総合運動公園テニスコートです。

今大会は男女同一会場なので

熱い戦いとなること間違いなし!

(テニスマガジン/Tennis Magazine)

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