札幌市が招致を進める冬季五輪・パラリンピックの2030年、34年大会の可能性がともに消滅した。国際オリンピック委員会(IOC)が開催地を30年はフランス、34年は米ソルトレークシティーに絞り込んだためだ。38年もスイスに優先交渉権を与える…

 札幌市が招致を進める冬季五輪・パラリンピックの2030年、34年大会の可能性がともに消滅した。国際オリンピック委員会(IOC)が開催地を30年はフランス、34年は米ソルトレークシティーに絞り込んだためだ。38年もスイスに優先交渉権を与えることが決まり、9年間続けてきた市の招致活動は事実上の「白紙撤回」を余儀なくされた。

 14年に招致を表明した上田文雄前市長のバトンを引き継ぎ、活動を率いてきた秋元克広市長は30日、出張先の東京で記者会見した。この日、新たに38年大会の開催地も固まったことに「衝撃的で大変驚いている」「今後についてもゼロベースで考えざるを得ないというのが正直なところだ」と語り、失望感を隠さなかった。

 落選の原因については、東京大会の汚職で世論が盛り上がらなかったこと▽コロナ禍で市民との対話ができず、開催意義を伝えきれなかったこと▽IOCの動向を含む国際情勢に関する情報が十分把握できなかったこと、などを挙げた。