東京五輪・パラリンピックをめぐり、石川県の馳浩知事が、高額のアルバムをつくり、投票権を持つ国際オリンピック委員会(IOC)の委員におみやげとして渡したと話した。この発言によって、改めて注目が集まった五輪招致活動の実態はどのようなものだった…

 東京五輪・パラリンピックをめぐり、石川県の馳浩知事が、高額のアルバムをつくり、投票権を持つ国際オリンピック委員会(IOC)の委員におみやげとして渡したと話した。この発言によって、改めて注目が集まった五輪招致活動の実態はどのようなものだったのか。当時の招致委員会会長で、都知事だった猪瀬直樹氏(77)に聞いた。

 馳氏は「事実誤認」として後に撤回したが、アルバム代の原資が内閣官房報償費(機密費)だったと発言している。

 猪瀬氏によると、当時、招致活動費は税金分は都、民間の寄付金は日本オリンピック委員会(JOC)がそれぞれ管理。都議会での説明責任を負う税金分と違って、寄付金の使い道はすべてが公表されているわけではなかったという。

 猪瀬氏は「そういった意味では、機密費と似たところがある。機密費だと思っていた原資が、寄付金だったという可能性もある」と話す。(岡戸佑樹、太田原奈都乃)