来夏の五輪・パラリンピックに合わせて、開催地パリの地下鉄の料金を約2倍に値上げする案が浮上している。五輪関連の追加経費を負担する狙いで、2・1ユーロ(約340円)の乗車券は4ユーロ(約650円)になる。ただ、招致計画では「大会期間中の公共…

 来夏の五輪・パラリンピックに合わせて、開催地パリの地下鉄の料金を約2倍に値上げする案が浮上している。五輪関連の追加経費を負担する狙いで、2・1ユーロ(約340円)の乗車券は4ユーロ(約650円)になる。ただ、招致計画では「大会期間中の公共交通機関は無料」としていただけに、地元でも批判が出ている。

 値上げ案の計画は、パリと近郊の公共交通機関を統括する地方当局IDFMのペクレス会長が27日夜に発表した。ペクレス氏はX(旧ツイッター)への投稿で、「(五輪で生じる)追加費用を住民が支払うことは問題外だ」と表明した。

 ペクレス氏はその上で、五輪開幕直前の来年7月20日からパラリンピックが閉幕する9月8日まで、1日16ユーロ(約2600円)でパリの地下鉄や近郊列車が乗り放題になる特別パスを用意する一方、通常の乗車券の値段を約2倍にする方針を説明。定期券を持たない住民らは、値上がり前に乗車券をできる限り買いだめするよう求めている。

 仏紙パリジャンによると、五輪とパラリンピックが開催される来年7月から9月上旬にかけて、フランスでは約1千万人の観客の来訪が見込まれている。パリの地下鉄と近郊を走る列車は増便される計画で、それに伴って2億ユーロ(約330億円)が必要になる試算だという。