仙台市は28日、ゼビオホールディングス(HD、福島県郡山市)と連携し、太白区のあすと長町に通年型のアイスリンクを設置すると発表した。日本フィギュアスケート発祥の地とされながら、練習場所の不足が課題とされてきた仙台市に、国際規格のリンクが整…

 仙台市は28日、ゼビオホールディングス(HD、福島県郡山市)と連携し、太白区のあすと長町に通年型のアイスリンクを設置すると発表した。日本フィギュアスケート発祥の地とされながら、練習場所の不足が課題とされてきた仙台市に、国際規格のリンクが整備される。

 市によると、ゼビオHDは、プロバスケチームの本拠地などとして使われている「ゼビオアリーナ仙台」を、アイスリンクとしても使えるように改修。同社が指定管理者となることを条件に、市に寄付するという。24年度の着工、25年度の運用開始を目指す。

 フィギュアスケートなどの公式大会が開ける国際規格(60メートル×30メートル)のリンクで、フィギュア選手の練習場所としての利用やアイスショーの開催が想定されている。バスケの試合やコンサートがある時は、氷の上に断熱材や床を敷いて対応する。国際規格に適した通年型のリンクは、宮城県内初という。

 仙台市は日本のフィギュアスケート発祥の地とされ、五輪で金メダルを獲得した羽生結弦さんの出身地でもある。一方、市内の通年型のリンクは「アイスリンク仙台」(泉区)しかなく、練習場所が不足しているとの声が関係者から上がっていた。

 郡和子市長はこの日の会見で、「オリンピックを目指す若いフィギュアスケーターにも使っていただきたい」と話した。

 郡市長とゼビオHDの諸橋友良代表取締役が出席した協定締結式では、羽生さんも動画でメッセージを寄せた。

 「仙台での新たなスケートリンクの実現に向けた大きな一歩が踏み出されたものと、1人のスケーターとしてとてもうれしく思います」と喜びを語り、「多くのフィギュアスケーターが育ってきましたが、練習環境はとても厳しい状況にあります。この度の取り組みが実現することで、自分と同じように、この街でフィギュアがやりたいと思う次の世代が1人でも多く生まれることを期待しています」とした。

 同社を指定管理者とする寄付の条件を受け入れるかどうかは、市議会の12月定例会で審議される予定。(平川仁)