広島市安佐南区のエディオンスタジアム広島(Eスタ)で25日、J1サンフレッチェ広島の最後のホームゲームがあった。サンフレッチェ広島は来季から、広島市街地で建設中の新スタジアムへ本拠地を移す。この日、約2万9千人のサポーターらがEスタに集ま…

 広島市安佐南区のエディオンスタジアム広島(Eスタ)で25日、J1サンフレッチェ広島の最後のホームゲームがあった。サンフレッチェ広島は来季から、広島市街地で建設中の新スタジアムへ本拠地を移す。この日、約2万9千人のサポーターらがEスタに集まり、別れを惜しんだ。

 Eスタ前には「ありがとう、エディオンスタジアム広島」と書かれた横断幕が設置され、サポーターが次々と写真におさめていた。広島が3―0でガンバ大阪を破ると、チームカラーである紫色の特殊効果花火が打ち上げられ、観客席にテープが降り注ぐ演出も。ミヒャエル・スキッベ監督はインタビューで「すばらしいスタジアムで、勝ちで終われたことをうれしく思う」とサポーターに感謝の言葉をおくった。

 20年近くEスタで応援してきた会社員の妹尾英治さん(60)は「スタジアムはJ1優勝も見届けた思い出の場所」と振り返る。これまでともに観戦に通っていた妻は3年前に他界した。「最後まで、妻の分も応援できてよかった」。一緒に来た長女のあす美さん(33)は「色あせた観客席を見ると感慨深い。新スタジアムは交通アクセスが良く、観戦が楽しみです」と話していた。

 Eスタは、Jリーグが開幕した1993年から広島の本拠地として使われてきたが、市街地から約8キロという交通アクセスの悪さが課題だった。

 2012年にはクラブや県サッカー協会などが、市中心部でのサッカー専用スタジアムの建設を目指して署名活動を開始。19年に同市中区の中央公園広場での建設が決まった。新スタジアム「エディオンピースウイング広島」は12月末完成の予定で、広島の来季からの本拠地となる。(魚住あかり)