木村和久の「新・お気楽ゴルフ」連載◆第32回 新しくゴルフ倶楽部の会員になって、はや1年が過ぎました。生涯3回目のメンバー入りですが、やっぱり倶楽部メンバーになるのはいいな、としみじみ感じています。 そこで今回は、ホームコースを中心とした"…
木村和久の「新・お気楽ゴルフ」
連載◆第32回
新しくゴルフ倶楽部の会員になって、はや1年が過ぎました。生涯3回目のメンバー入りですが、やっぱり倶楽部メンバーになるのはいいな、としみじみ感じています。
そこで今回は、ホームコースを中心とした"自分の居場所"について考えてみたいと思います。
(1)ホームコースのメリット
最近は、ビジターもネットで簡単に予約ができるし、ひとり予約も可能になり、メンバーとビジターの差はほとんどなくなりました。けど、メンバーであることはやはりいいと思います。
それは、なんでだろうなぁ~。住んでいるマンションが賃貸か、購入したものかの違いでしょうか。微妙な差ではあるんだけど、その違いがよろしいのです。
ホームコースというのは、「オレの芝だ~、池だ~、クラブハウスだ~、だから大事にしなきゃ」といった感じで自宅的な感覚があります。それゆえ、メンバーは自分の家に友だちを呼ぶ感覚で、コースに友人を呼びます。
日本人って、欧米人ほどホームパーティーをしないでしょ。家も狭いしね。それに、来客のたびに掃除したり、料理やお酒を用意したりするのは面倒くさいです。
ですから、そんなホームパーティー代わりを、ホームコースでやればいいのです。それなら、何の準備もいりません。気の合う友人を呼んで、わいわいラウンドして盛り上がればいいだけですから。
ホームパーティー代わりに、友だちをメンバーコースに呼んでワイワイやるのがいいですよね。illustration by Hattori Motonobu
ここで、周りの人間関係がはっきりすることもあります。"お客さん"を呼ぶことにより、自分は誰を大切にしているのか? 認識を新たにすることがあったりしますからね。
他にも、メンバーになるメリットはたくさんあります。たとえば、競技や懇親会の参加、ハンデキャップの取得、コンペの優先予約や予算の折衝、メンバーロッカーの使用などなど。そうそう、某コースでは過去に「メンバーランチ」というのがありました。ただそれは、値段が安いだけで、さほど美味しくなかったかな。
プレーにおいても、同じコースを何度もラウンドすることで、戦略性の学習や飛距離の認識など、学ぶことは多いです。
(2)倶楽部スタッフとの関係
倶楽部スタッフと知り合って、いろいろとサービスしてもらったり、融通を利かせてもらったりするのはうれしいのですが、相手との距離感はほどほどに、ですね。
実は以前メンバーだったコースでは、広報担当者がかなり融通の利く方で、ゴルフ雑誌の取材をさせてもらった際には、まだ昼なのに「何時からコースが空くので、あとはご自由に」と言われ、撮影など思う存分させてもらったことがありました。
ところが、その担当者が異動し、新たな広報担当には規則に厳しい方が着任。再び取材の依頼をすると、今度は「他のメンバーの邪魔になるので、全員プレーが終わってから、手短にしてください」とぴしゃり。「あのぉ、俺もメンバーなんだけど......」と思うと同時に、「それじゃ、日没まで時間がなくて、撮影しづらいんじゃん」といった始末に......。
その時、同じコースでこれほど対応が違うのか、と戸惑いました。だから、コースのスタッフと親しくなるのはいいのですが、ほどほどに、がいいかと。
未来永劫良好な関係を築くことはなかなかできません。倶楽部で働く方々はサラリーマンですから、部署替えや転勤が普通にありますからね。
あと、メンバー同士で仲良くなる場合は、マウントの取り合いに注意しましょう。かつてメンバーだった倶楽部では、競技に出まくったことがあります。その際、こっちは新参者なので、他のメンバーのみなさんにはペコペコしなきゃなりません。
ただ、こっちがずっと下手に出ていると、いろいろと頭ごなしに言ってくる人がいて、ムッとしたことがありました。そういう意味でも、メンバー同士もいい距離感を保ったほうがいいかもしれません。
今では、友だちとのラウンドが中心で、たまに他のメンバーさんとラウンドするくらい。ほどほどの人間関係が、メンバーライフを長続きさせるコツではないでしょうか。
(3)居心地のいい練習場
今年3月、近所のゴルフ練習場が閉鎖され、別のところに通うようになりました。それまでは自転車で5分程度でしたが、今は自転車で10分ほど。距離的にはさほど変わっていません。
それでも、環境的には新しい練習場のほうがよろしいです。何がいいかって、スタッフの対応が気持ちいいのです。
さらに、以前通っていた練習場はレッスンが多く、そのうえ先生が雑談ばかりしていて、なかなか本題に入りません。狭い練習場では、その先生の笑い声が響きわたって、練習しているこっちはしばしば集中力が削がれました。でも今の練習場は、そういった無駄はなく、レッスンもテキパキしていて、こちらが気になるようなこともありません。
本当は200ヤードぐらい距離があって、思いきりドライバーが打てる練習場が理想ですが、都心にはそういうところはほぼありません。だからといって、車に乗って出かけるのもどうかと。そうなると、半日仕事になってしまいますから。
やはりゴルフ練習場で大事なことは、使い勝手のよさ。そして、近くて頻繁に通えるかどうか、です。
ちなみに、家から歩いて行ける場所に、インドア練習場があります。ですが、そこに行くことはありません。
インドアだと、ついシミュレーターを見てしまいます。私はそれが苦手です。だって、データが厳しいんだもの。現実を目の当たりにして、「俺って、飛ばない」とへこみまくりですから。
(4)馴染みのショップ
最近、家の近所にグリップ交換をしてくれるお店を発見して重宝しています。ホームコースに置いておくために、新しいクラブセットを1年かけてそろえました。それらは中古がほとんどで、グリップを替えることが多かったのです。
また、そのお店には値頃なヘッドカバーや小物、消耗品なども置いてあり、何かと役立っています。今まで行きつけの店なんてなかったんですけど、今ではその店を近所にある万能ショップとして使わせていただいています。
あと、最近はネットオークションでクラブを購入することが多くなりました。というわけで、今やスマホの中もまた、頼りになる居場所になっています。
(5)利便性のあるスマホ
ゴルフニュースや製品紹介、読み物、SNS、オークションと、現在はスマホがものすごく活躍しています。1日に何回も、スマホからゴルフ情報を得ています。
スマホで頻繁にゴルフ情報を見ていると、このユーザーはゴルフ好きと学習して、さらにゴルフネタを提供してきます。いやほんと、とても重宝しています。
(6)自宅の貴重な「物置」
自宅にはゴルフ工房みたいなものはなく、数個の古いキャディバッグに余ったクラブを入れて、そこが物置代わりとなっています。
使用するクラブセットは、ウェッジ類をいくつかチェンジしてラウンドすることが多いです。冬場はボールが上がりづらいから、転がし中心でいこうとかね。そうやって、あれこれクラブを入れ替えるのは、わりと楽しいものです。
ホームコース用にクラブセットを置いていると先述しましたが、時々クラブを入れ替えてリフレッシュしています。だから、電車でゴルフに行く時は、クラブを2本ぐらいビニール袋に入れて持っていき、使わなくなったクラブと交換します。
子どもの頃、国際救助隊が活躍するSFテレビ番組『サンダーバード』に夢中でした。毎週、「今日はサンダーバード何号が活躍するんだ」とワクワクしながら見ていました。
それと同じで、「今日はどのクラブが活躍するんだ」とクラブを入れ替えるのが楽しいのです。
小粒ながら、ゴルフを楽しむ居場所や秘密基地があって、ほんと幸せです。