石川県の馳浩知事が東京五輪の招致活動に絡み、国際オリンピック委員会(IOC)の委員への贈答品として1冊20万円のアルバムを作ったなどと発言、撤回したことをめぐり、盛山正仁文部科学相は24日の衆院文科委員会で「(当時の)資料が残っておらず当…

 石川県の馳浩知事が東京五輪の招致活動に絡み、国際オリンピック委員会(IOC)の委員への贈答品として1冊20万円のアルバムを作ったなどと発言、撤回したことをめぐり、盛山正仁文部科学相は24日の衆院文科委員会で「(当時の)資料が残っておらず当省としては全く分からない」と述べた。

 招致活動が行われていた2013年当時、馳氏は衆院議員で、自民党の東京五輪招致推進本部長を務めていた。

 関係者によると、馳氏は今月17日、都内での講演で、IOC委員の選手時代の写真をアルバムにして、1冊20万円で約100人分作ったなどと発言した。安倍晋三首相(当時)から「機密費(内閣官房報償費)もある」と告げられたとも話した。IOC委員に品物を贈るのは当時のIOC倫理規定違反の可能性がある。

 また、馳氏の13年のブログには、アルバム作成を菅義偉官房長官(当時)に報告したように読める文言があった。24日の同委で内閣官房の担当者は「当時の事実関係を確認できる資料は残っていなかった」と述べた。

 馳知事は17日に今回の発言を撤回。18日、記者団に「文科省から指摘があり、私自身の事実誤認に基づく発言であったと確認をした」と述べた。

 24日の同委ではこの点に関する質疑もあった。文科省の外局であるスポーツ庁によると、同庁担当者が17日夜に石川県側に発言の有無などを問い合わせたところ、県側から「知事の発言は事実誤認であり全面的に撤回する」との返答があった。同庁幹部は「(同庁から)撤回を促す指摘はしていない」と述べた。

 野党側からは馳氏や菅氏の参考人招致を求める声が上がっている。(久永隆一)