国際舞台で頂点に立った山口県ゆかりの選手たちが喜びの報告をした。来年に迫ったパリ大会など五輪という次のステージを見据え、活動を続けている。  ベルギーであった体操の世界選手権団体金メダル、種目別ゆかは銀メダルを獲得した南一輝選手(23)=…

 国際舞台で頂点に立った山口県ゆかりの選手たちが喜びの報告をした。来年に迫ったパリ大会など五輪という次のステージを見据え、活動を続けている。

 ベルギーであった体操の世界選手権団体金メダル、種目別ゆかは銀メダルを獲得した南一輝選手(23)=下関国際高校出身=がこのほど、山口市で帰国報告会を開き、今後への抱負を述べた。

 市内で開催された県ジュニア体操競技大会に合わせて行った。質問のコーナーでは、専門的な技術面でのやり取りのほかに「失敗しそうになった技や種目はありますか」「彼女はいますか」といった踏み込んだ内容も。南選手は丁寧に答え、子供たちに実技の指導もした。

 最後に、「自分が頑張れるのも、地元の子供たちや保護者の皆様にサポートして頂くからこそ。(パリ五輪の)メダルを持って帰ってきて、皆さんに見せたい」と意気込みを語った。(青瀬健)

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 中国・杭州であったアジア大会の柔道競技で二つの金メダルを獲得した、光市出身の田中志歩選手(25)がこのほど、市役所を訪れて喜びの報告をした。2度の大けがに苦しみ、来年のパリ五輪出場を逃した田中選手は「次の世界選手権で優勝し、5年後のロサンゼルス五輪を目指したい」と抱負を語った。

 田中選手は市内の聖光高を卒業後、故古賀稔彦さんが総監督を務めた環太平洋大を経て現在はJR東日本に所属する。9月下旬に開幕したアジア大会の女子70キロ級決勝で北朝鮮の選手を合わせ技で破って頂点に立ち、混合団体でも決勝のウズベキスタン戦で反則勝ちを収めて日本の優勝に貢献した。

 5歳で始めた柔道に加え、小学時代はレスリングにものめり込み、高校までは「二刀流」。柔道で全国高校総体、レスリングでジュニアクイーンズカップをそれぞれ制するなど両競技で才能を開花させた。

 市川熙市長はその当時を振り返り「レスリングであれ柔道であれ世界で大活躍すると思っていた。その通りになったが、目標はもう少し高い所にあると思う。練習に励んで高みを極めてください」と激励した。

 田中選手は柔道の魅力について「一対一の戦いで、奥が深く、達成感がある」と語り、「30歳までは頑張りたい。その年に迎えるロス五輪でも金メダルを取りたい」と目を輝かせた。(三沢敦)