<大相撲十一月場所>◇十一日目◇22日◇福岡・福岡国際センター 21歳の若手力士が再び快進撃を見せている。先場所に続いて優勝争いの先頭に並ぶ前頭八枚目・熱海富士(伊勢ヶ濱)が、前頭十五枚目・美ノ海(木瀬)を押し出しで圧倒して9勝目を挙げた。…

<大相撲十一月場所>◇十一日目◇22日◇福岡・福岡国際センター

 21歳の若手力士が再び快進撃を見せている。先場所に続いて優勝争いの先頭に並ぶ前頭八枚目・熱海富士(伊勢ヶ濱)が、前頭十五枚目・美ノ海(木瀬)を押し出しで圧倒して9勝目を挙げた。史上最速19場所での幕内優勝へ望みをつなげた熱海富士に、ファンも「強すぎワロタ」「文句なしの圧勝!」と白熱した。

【映像】熱海富士が快進撃 大相撲十一日目ハイライトの模様

 再入幕の九月場所で大活躍し、優勝争いに絡むも優勝決定戦で惜しくも敗れて涙を呑んだ21歳の新鋭・熱海富士。十一月場所でも勢いは止まらず初日から5連勝、中盤で2敗を喫したもののその後は白星を重ねて勝ち越しを決めていた。

 十一日目の取組で土俵に登場すると、ABEMAで解説を務めた元小結の臥牙丸は「若くて新しい、熱を持っている力士が登場すると、相撲界は盛り上がるし、応援したくなる」と熱海富士に注目。「たくさんの技を出して勝つより、力を出して勝っている。一生懸命、勝ちにこだわる相撲を取っているので、それを観るのはめちゃ気持ちいい」と期待を込めていた。

 美ノ海との一番では、立ち合い胸から当たると突っ張って前に出る圧力を発揮、一気に押し出して9勝目を挙げた。敗れた美ノ海は4敗目。2敗を死守した熱海富士は今場所も優勝争いのトップを並走する。もしも優勝した場合、初土俵から19場所目となり、付け出しを除くと史上最速の新記録が樹立される。

 圧勝した熱海富士の相撲を受けて、解説の臥牙丸は「いい相撲を取りますね、やっぱり」と満足げの様子。続けて「美ノ海の当たりは良かったんですけど、その後、少し迷ったんですよね。色々やろうとして慌てたような」と美ノ海の敗因を指摘すると、「(熱海富士のほうが)力的に上」と語った。

 敢闘賞を受賞した先場所の活躍が実力によるものであることを示すように、今場所も快進撃を続けている熱海富士。見事に9勝目を挙げると、ファンからは「強すぎワロタ」「文句なしの圧勝!」「万全の2敗キープ」「あたみん無双」「優勝争いまたやってほしい」と称賛と期待の声が相次いで寄せられた。

 なお、十一日目の取組では大関・霧島(陸奥)と関脇・琴ノ若(佐渡ヶ嶽)も白星を挙げて2敗を死守。前頭十四枚目・一山本(放駒)は敗れて3敗に後退した。幕内の優勝争いは霧島、琴ノ若、熱海富士が2敗でトップタイに並び、3敗で大関・豊昇龍(立浪)、前頭五枚目・翠富士(伊勢ヶ濱)、前頭十枚目・竜電(高田川)、一山本が追いかける展開となった。

 熱海富士は十二日目、初顔合わせの豊昇龍と対決する。今場所初の大関戦でも破竹の勢いは続くのだろうか——。(ABEMA/大相撲チャンネル)