今週のGIは日曜京都のマイルCSだが、土曜東京の東京スポーツ杯2歳ステークス(2歳・GII・芝1800m)も見逃せない。  近10年の勝ち馬のうち、13年イスラボニータ、14年サトノクラウン、17年ワグネリアン、18年ニシノデイジー、1…

 今週のGIは日曜京都のマイルCSだが、土曜東京の東京スポーツ杯2歳ステークス(2歳・GII・芝1800m)も見逃せない。

 近10年の勝ち馬のうち、13年イスラボニータ、14年サトノクラウン、17年ワグネリアン、18年ニシノデイジー、19年コントレイル、20年ダノンザキッド、21年イクイノックスの7頭がGI、あるいはJ・G1を制覇している超出世レース。同じく近10年に絞り、後にGIを制した馬の数を見ると、GIの朝日杯FSとホープフルSですら、それぞれ2頭と3頭。東スポ杯2歳Sと同じくGIIのデイリー杯2歳Sは3頭、京王杯2歳Sは1頭。したがって東スポ杯2歳Sの「GI馬輩出率」は群を抜いている。

 東スポ杯2歳Sが後のGI馬を多く輩出している=素質馬が集っている最大の理由は、東京芝1800mという舞台設定にある。クラシック、とりわけ日本ダービーを目指す馬は、1800m以上を使い続けるケースがほとんど。近10年の日本ダービー馬でマイル以下を走った経験があったのはワンアンドオンリーとドウデュースの2頭しかいない。それだけに長過ぎず、短過ぎない1800mはベストディスタンスなのだ。

 また、11月の東京で行われることも大きい。ホープフルSは2000mの距離こそ魅力だが、芝が荒れやすい12月末の中山に行われること、さらに皐月賞までに十分に休養が取れないことから、敬遠する陣営も多い。これらの理由から、東スポ杯2歳Sの事実上の地位が上がっているのだ。

 今年もマイルCSを制したブルーメンブラットを母に持つシュトラウス(牡2、美浦・武井亮厩舎)、サトノダイヤモンドの甥となるフォルラニーニ(牡2、美浦・手塚貴久厩舎)、今年のNHKマイルC覇者のシャンパンカラーの半弟となるシャンパンマーク(牡2、美浦・蛯名正義厩舎)など、良血馬がズラリと揃った。ここの勝者は間違いなくクラシックの有力候補。また、敗れた馬の中にも後の大物が潜んでいるだろう。熱いレースになることは間違いない。