今年のマイルチャンピオンシップ(3歳上・GI・芝1600m)は4年ぶりに京都での開催となる。近3年の阪神とは、同じ外回りでも似て非なるコースなので、傾向が変わってくることは確実。そこで近10年を振り返りつつ、好配当を提供してくれる馬を探…

 今年のマイルチャンピオンシップ(3歳上・GI・芝1600m)は4年ぶりに京都での開催となる。近3年の阪神とは、同じ外回りでも似て非なるコースなので、傾向が変わってくることは確実。そこで近10年を振り返りつつ、好配当を提供してくれる馬を探したい。

 何より注目したいのは上がり3F3位以内をマークした馬の成績だ。13年から19年の京都開催では[4-0-3-21]の勝率14%、複勝率25%と苦戦傾向。とりわけ16年以降の4回では[1-0-2-12]だから、いい脚で伸びてきても大概は3着まで。逆に14年3着のグランデッツァ、16年3着のネオリアリズムなど、好位で運んだ伏兵の粘り込みが目立っていた。

 対照的に20年から22年の阪神開催では、面白いように決め手比べが続いた。上がり3F3位以内の馬は[3-3-1-4]の勝率27%、複勝率64%。連対した6頭全てが上がり3F3位以内だった。さすがは東京、新潟に次いで直線が長く、かつ急坂もある阪神だけあって、ゴール前でガラッと入れ替わるケースが多かった。

 そこで昨年のマイルCSを振り返りたい。後方待機のセリフォス(牡4、栗東・中内田充正厩舎)が上がり3F最速で大外一気を決めたが、これは阪神だからこその勝利ではなかったか。同3位タイで2着のダノンザキッド(牡5、栗東・安田隆行厩舎)ともども、急坂を味方につけたことは間違いない。一方、京都開催なら…と思わせたのは4着のソウルラッシュ(牡5、栗東・池江泰寿厩舎)。4角手前で早めに進出しながら、最後までバテることなく、勝ち馬からは0秒3差。4番手から3着に踏ん張った3着のソダシともども、粘っこい走りが印象に残った。

 春の安田記念では後方から伸びを欠いて9着だったソウルラッシュ。しかし、前走の京成杯AHでは今までよりも前寄りのポジションを取り、渋太く脚を使って2つ目のタイトルをゲット。まさに今回の予行演習といえるような走りだった。当時の鞍上・松山弘平騎手からJ.モレイラ騎手への乗り替わりがカギだが、今回も積極的なレースができれば…。末脚自慢の追い上げを凌いで、悲願のGI初制覇の可能性は十分にある。