J2ブラウブリッツ秋田は12日、秋田市の本拠ソユースタジアムで今季最終戦に臨み、徳島と1―1(前半0―0)で引き分けた。終了間際のロスタイムに失点しての結末。本拠では15戦連続で白星なしとなり、悔しさ百倍の締めくくりとなった。通算は12勝…

 J2ブラウブリッツ秋田は12日、秋田市の本拠ソユースタジアムで今季最終戦に臨み、徳島と1―1(前半0―0)で引き分けた。終了間際のロスタイムに失点しての結末。本拠では15戦連続で白星なしとなり、悔しさ百倍の締めくくりとなった。通算は12勝15敗15分けの勝ち点51。3季目のJ2は13位に終わった。

 勝ちきるというのは、これほど難しいことか。あと何回か徳島の攻めをはね返せば、という土壇場でPKを与えてしまった。後半49分、難なく決められ、そぼ降る雨は涙雨になった。

 先取点は後半3分に挙げた。右CKをMF中村亮太が頭で競り合うと、徳島のオウンゴールを誘った。チームにとってここからが頑張りどころだったが、球はむしろ敵陣より自陣でよく動き、好機を作っても決めきれなかった。

 突き放せず、守りきれもしない。「今季を表したような試合になった」と中村がいった。この日までに6試合で、後半ロスタイムに失点したことで追いつかれたり負けたりしている。こんなに勝ち点を損しなければ、J1昇格プレーオフにより近づけたはずだった。

 ホームでは5月7日に勝って以降、引き分けと黒星ばかり。プレーオフを逃し、J2残留も10月29日に決まっていた。選手の熱量は、ソユースタジアムで勝つという1点に凝縮されていたが……。「ホームで勝ちたい思いはあった。今日も勝てそうなところで(勝利が)こぼれた。J2だってそんなに甘くない」と中村は続けた。「あとは紙一重。それを変えるのは練習しかない。クロスの質だとか、ぎりぎりの部分を突き詰めていくしかない」

 上には上がいて、本拠の15試合連続無勝利はJ2で4位タイ。記録はシーズンをまたぐ。来季は早々に断ち切って、余計な重しを外したい。吉田謙監督は口惜しい今季を振り返り、「心がさらにたくましくなる選手、チームになることを信じている」と表情を引き締めた。(隈部康弘)