V・ファーレン長崎は12日の明治安田生命J2リーグ最終節、ジェフユナイテッド千葉と千葉市で対戦。3―1と逆転勝ちして今季を締めくくった。ライバルチームも勝ったため、J1昇格へのプレーオフ(PO)は逃したが、長崎市であったパブリックビューイ…

 V・ファーレン長崎は12日の明治安田生命J2リーグ最終節、ジェフユナイテッド千葉と千葉市で対戦。3―1と逆転勝ちして今季を締めくくった。ライバルチームも勝ったため、J1昇格へのプレーオフ(PO)は逃したが、長崎市であったパブリックビューイング(PV)では約1200人のファンが集い、最後まであきらめずにボールを追った選手たちに惜しみない拍手を送った。

 PVは長崎市の出島メッセ長崎であった。長崎は序盤から千葉の猛攻に耐える展開。CKやFKでピンチを迎えるたび「波多野! 波多野!」とGK波多野豪に声援がおこり、守備陣がボールを蹴り出して難を逃れるたびに大きな拍手が起こった。

 先取点を許した長崎だが、前半21分にMF沢田崇のゴールで追いつくと、後半21分にFWフアンマがPKを決めて勝ち越しに成功。会場のファンは一斉に立ち上がって歓喜に沸いた。

 PO進出には長崎の勝利だけでなく、ほぼ同時刻に始まった上位チーム、モンテディオ山形とヴァンフォーレ甲府による直接対決が引き分けに終わる必要があった。会場では山形での試合もスクリーンの一つに映し出され、ファンらは横目で展開を追った。

 熱気が最高潮を迎えたのは後半37分。0―1で負けていた山形がPKを得てPV会場がどよめくなか、千葉では相手ゴール前に届いた波多野のゴールキックをDF増山朝陽が懸命に蹴り込み追加点。歓喜の最中に山形も同点PKを決めてPO進出の条件がそろい、長崎ファンは総立ちで抱き合ったり、ハイタッチしたりして喜びを爆発させた。

 迎えたアディショナルタイム。山形が勝ち越し点を挙げて長崎のPO進出はかなわなかった。だが、ファンたちは気持ちを切り替え、選手たちの今季の労を拍手でねぎらっていた。

 ファビオ・カリーレ監督は試合後、「PO進出に至らなかったのはミスがあったから。ただ今年は選手だけでなく、僕も学ぶことができた。サポーターには感謝の気持ちしかありません」などとコメント。MF中村慶太は「来年は(長崎スタジアムシティの)新スタジアムができる。僕自身ももう一度、長崎でJ1の舞台をプレーしたい」と来季を見据えた。(寿柳聡)

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 サッカーJ2のV・ファーレン長崎とプロバスケットボールB1の長崎ヴェルカの拠点として来秋開業する長崎スタジアムシティ(長崎市)の開業日が来年10年14日であることが発表された。開業前年祭が今月14~19日、同市の出島メッセで開かれる。

 13日夜の記者発表会で、事業を進めるジャパネットホールディングスの高田旭人社長が事業の概要などを説明した。高田社長はV・長崎について、「来年は仕切り直して、必ずJ1チームをつくることを成し遂げたい」などと語った。

 前年祭の詳細は特設サイト(https://www.nagasakistadiumcity.com/zennensai/)で。(寿柳聡)