今年のエリザベス女王杯(3歳上牝・GI・芝2200m)は、4年ぶりに京都での開催となる。近3年は阪神が舞台だったが、直線に急坂があって内回りの阪神と、直線が平坦で外回りの京都では、同じ芝2200mでも全く異なるコース。傾向が変わってくる…

 今年のエリザベス女王杯(3歳上牝・GI・芝2200m)は、4年ぶりに京都での開催となる。近3年は阪神が舞台だったが、直線に急坂があって内回りの阪神と、直線が平坦で外回りの京都では、同じ芝2200mでも全く異なるコース。傾向が変わってくることは間違いない。

 ここまで新装京都で芝2200mは9鞍が行われた。うち8鞍が13頭立て以下の少頭数だったので参考程度だが、あえて共通項を挙げるなら上がりの競馬になりやすいということ。前後半3Fを比べると、何と全9鞍が後傾ラップ=スローペースだった。その証拠に、逃げた馬は[0-1-4-4]の複勝率56%と好成績。一方で上がり3Fの順位別成績を見ると、3位以内が[8-7-4-11]の好成績で、実に連対18頭中15頭を占めている。したがって逃げ馬が残りやすい反面、少々後ろからでも相対的に上位の上がりを使えれば届くコースといえる。

 最近のエリザベス女王杯を振り返ると、京都開催の16年から19年までは4年連続で前後半3F差が1秒7以上のスローペースだった。対照的に阪神開催の近3年は、20年が前後半3F34秒9-34秒8のイーブンペース、21年と22年は同じく34秒1-36秒5、35秒3-36秒4のハイペースだった。エリザベス女王杯に差し有利のイメージを持たれているかもしれないが、それはあくまで“阪神の”エリザベス女王杯の傾向。京都に戻れば、逃げ先行馬の“巻き返し”に注意したい。

 今年のメンバーでは、過去8戦全てで先行しているアートハウス(牝4、栗東・中内田充正厩舎)が、いかにも京都のエリザベス女王杯向き。今年はこれといった逃げ馬不在なので、なおさら展開利が見込める。また、デビューから4戦連続で上がり3F最速のブレイディヴェーグ(牝3、美浦・宮田敬介厩舎)、同じく6戦連続で上がり3F3位以内のサリエラ(牝4、美浦・国枝栄厩舎)も、直線だけで間に合うポテンシャルを感じさせる。一方で昨年1着のジェラルディーナ(牝5、栗東・斉藤崇史厩舎)はどちらかというと上がりがかかっていいタイプ。舞台替わりがプラスとはいえないので、危険な人気馬としておきたい。