■ハーパー

【中間調整】未勝利勝ち直後に挑んだ、今年2月のクイーンCで接戦を制して勝利。その後牝馬3冠にフル参戦し、桜花賞4着、オークス2着、そして前走の秋華賞で3着。さすがに打倒リバティアイランドこそ果たせなかったものの、常に上位に入り続けており、現3歳世代ナンバー2の実績馬と言っていいだろう。休み明けのぶっつけで秋華賞を使い、そこからエリザベス女王杯に進出するのは予定通り。秋華賞で大きな反動がなかったことから、在厩でエリザベス女王杯に向けて調整されている。

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10月26日にCW3F41秒1(馬なり)と緩めではあるがコースで初時計。1週前追いは坂路単走で時計こそ平凡ながら折り合いよく進み、最後は素軽さ満点のまま加速できていた。その後、11月5日の日曜CW追いで終いだけ伸ばす微調整も行っている。

【最終追い切り】坂路で単走。無理をさせず反応を確認する程度だった。その反応だが機敏そのもので素軽さもまずまず。いいテンションで気分よく走れており、体の張りは上々。大きな上積みを求めて変にチャレンジせず、前走の好調をいかに持続させるかという陣営が意図した通りの走りができていた。

【見解】躍動感で若干だけ前走より見劣るが、大人になって走りがまとまってきたと考えてもいいだろう。前走時で心肺機能はある程度仕上がっており、それをいかに高いレベルのまま推移させるかを意識した細心の調整が施されている。このあたりはさすが名門・友道厩舎。前走時は1週前追いCW⇒日曜追い坂路という順番だったのを。今回は1週前追い坂路⇒日曜追いCWと入れ替えてきたのも、工夫のひとつだろう。状態は高値安定。仇敵不在のここでビッグタイトル獲得のシーンがあっていい。

総合評価「A」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター 競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。