■ジェラルディーナ

【中間調整】父モーリス、母ジェンティルドンナという超良血馬。4歳シーズンの昨年に本格化を果たし、下半期は小倉記念3着を皮切りにオールカマー勝ち、エリザベス女王杯でGI制覇。暮れの有馬記念でも、出遅れながら3着に食い込んだ。今年は勝ち負けの競馬はないものの、2走前の宝塚記念で0秒2差4着と力に衰えは感じない。今秋は休み明けにオールカマーを使い、連覇の懸かるエリザベス女王杯に進むのは当初からの予定通り。そのオールカマーが0秒5差6着と案外な走りだったが、スタートで後手を踏んだうえに展開も不向きだったので、致し方ない部分もあったか。

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その後、放牧先のノーザンファームしがらきから10月17日に帰厩。ケアに若干時間を要したが、20日にCW単走で3F37秒4-1F11秒4(馬なり)と中間の初時計としては上々の数字を出せていた。11月2日に1週前追いとなるCW単走調整を消化。まずまずの折り合いから進み、ラストはやや反応の鈍さを感じさせたものの、伸びそのものは迫力があった。

【最終追い切り】レース当週は団野騎手(本番はR.ムーア騎手)が騎乗し、CWで併せ馬。負荷はここまでそれなりに掛かっており、ここでは外で先行させての折り合いを確認する程度の内容となった。マイルCSを目指すオープン馬セッションを迎え撃ち、直線で併走。ラストは反応がワンテンポ遅れアタマほど遅れての入線に終わったが、相手は稽古駆けするタイプだし、道中の折り合い自体はまずまずだった。

【見解】動き全体には迫力があり、体にもの張りがある。体調は悪くなさそう。ただし、年齢なりにルーティンに慣れて手を抜くことを覚えてしまったのか、反応に鈍さがあるのは気になるところ。調教役を務める団野騎手を思い切って交代させてみれば違ったのかもしれないが、この中間4本はすべて同騎手。この馬を手中に入れている同騎手を降ろすほうが、リスクが高いと判断したか。なんにせよ、前走時の調整に感じた反応の鈍さにそこまでの良化は見られない。本番で騎乗するR.ムーア騎手との“化学反応”には期待したいが、攻めの段階では物足りなさを感じる。

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総合評価「B」

著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター 競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。