■ルージュエヴァイユ

【中間調整】祖母に2011年の凱旋門賞で5馬身差の圧勝を収めたデインドリームがいる良血馬。3歳シーズン上半期はフローラSで5着、オークスで6着に終わっていたが、同年後半で2勝を挙げ条件馬の立場を卒業。今年からオープンで走り始め、6月のエプソムCで0秒2差2着、前走の府中牝馬Sでハナ差2着と重賞で勝ち負けできるところまで力をつけてきた。

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その後は在厩でエリザベス女王杯を目指すことに。府中牝馬Sで好走した反動が少なからずあったようで、立ち上げに若干時間を要した。しかし、10月29日の初時計で坂路2F27秒3(馬なり)とまずまずスムーズに動き、1週前のウッド追いでは稽古駆けするペリエール(武蔵野S出走)をアオッて先着を果たした。反動に関しては完全に問題ないようで、回復の早さは充実ぶりを物語るものだろう。

【最終追い切り】レース当週は坂路で併せ馬。躍動感にあふれる雰囲気で古馬3勝クラスに対し取り付き、手応え優勢を保ったまま最後はクビほど抜け出しての先着を果たした。とにかく活気十分で、体調面はすこぶる良好。

【見解】回復の早さ、そして攻めで見せている活気十分の姿からいかにも目下充実している雰囲気が漂う。臨戦過程の違いがあるとはいえ、前走で勝ったディヴィーナは最終追い坂路単走4F54秒5、2着ルージュエヴァイユは坂路併せ馬4F52秒0。個体差があるし、栗東と美浦の違いがあるにせよ、攻めの意欲で上回っているのは間違いなく、ルージュエヴァイユのほうだ。上積み十分。前後のバランスがまだガタガタだったオークスでも0秒7差6着に入れており、充実期に入った今なら2200mは問題なくこなせるだろう。大駆け注意。

総合評価「A」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター 競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。