近年の一線級牝馬はジャパンCなどの牡馬混合路線や海外を見据えるケースも増えてきており、以前に比べると上位の層が薄くなりがちな面は否めない。芝2200mという特殊な距離も相まって、展開やコース適性の恩恵を受けた人気薄が上位に食い込んでくる…

 近年の一線級牝馬はジャパンCなどの牡馬混合路線や海外を見据えるケースも増えてきており、以前に比べると上位の層が薄くなりがちな面は否めない。芝2200mという特殊な距離も相まって、展開やコース適性の恩恵を受けた人気薄が上位に食い込んでくる例もしばしば見られる。

1.若い馬が中心

 過去10回で3歳馬が複勝率21.1%、4歳馬が26.7%なのに対し、5歳馬は8.5%、6歳馬は7.1%、7歳以上は0%。4歳以下か5歳以上かで好走率が大きく異なる。

2.上がりが使えるかどうか

 京都開催だった直近10回で、上がり3ハロンタイムが1位だった馬が6勝。複勝率は71.4%ある。スタミナも要求される距離でありながら、19年の勝ち馬ラッキーライラックは32秒8、16年の勝ち馬クイーンズリングは33秒2など非常に速い上がりがマークされることもあった。

3.府中牝馬S組の存在感が高まる

 府中牝馬SがGIIに昇格した2011年以降の12回で、前走府中牝馬Sの馬が馬券に絡まなかった年は昨年と15年の2回のみ。GIIになってメンバーレベルが高くなったという理由に加えて、エリザベス女王杯というレース自体が上がりの速さを要求するようになってきていることから、府中牝馬Sでのスピード競馬経験が活きやすくなっているようだ。

 ライラックは前走の府中牝馬Sで3着。上がりは自身のキャリアで最速の33秒0を繰り出しており、休み明けを考えれば上々の内容だった。昨年の当レースで2着だったように距離延長はプラスで、長く脚を使えるタイプであるから京都替わりもプラスに働く可能性が高いと見る。今年は昨年以上の結果を期待したい。