11月12日(日)に京都競馬場で行われるエリザベス女王杯(3歳上牝・GI・芝2200m)。今年は15頭が出走を予定しているが、中でもジェラルディーナとディヴィーナの対決は見どころのひとつだろう。両者は同世代かつ、同じモーリス産駒で、何よ…

 11月12日(日)に京都競馬場で行われるエリザベス女王杯(3歳上牝・GI・芝2200m)。今年は15頭が出走を予定しているが、中でもジェラルディーナとディヴィーナの対決は見どころのひとつだろう。両者は同世代かつ、同じモーリス産駒で、何より母がライバル同士という関係。本稿ではジェラルディーナの母ジェンティルドンナと、ディヴィーナの母ヴィルシーナが、初対決を迎えた12年の桜花賞を振り返ってみたい。

■桜決戦の結末は…

 ジェラルディーナとディヴィーナが同世代&同じモーリス産駒と書いたが、ジェンティルドンナとヴィルシーナも同世代&同じ父。ディープインパクト産駒の2頭は幼駒のころから期待され、デビュー後も勝ち負けを繰り返しながら力を付けていった。12年1月のシンザン記念でジェンティルドンナが重賞初制覇を飾れば、翌月のクイーンCでヴィルシーナも初タイトルを獲得。ともに牝馬三冠路線の有力候補として、桜花賞に駒を進めてきた。

 同レースではジェンティルドンナが2番人気で4.9倍、ヴィルシーナは4番人気の10.2倍というオッズ。前年の2歳女王ジョワドヴィーヴルが2.3倍と抜けた1番人気で、筆頭格と見られていたが、3歳になって急成長中の2頭にも多くの支持が集まった。好メンバーが揃った桜決戦。咲き誇るソメイヨシノがムードを盛り上げる中、18頭がスタートを切った。

 ゲートが開くと伏兵のアラフネやエイシンキンチェム、マイネエポナらが前を固め、ヴィルシーナは絶好位の4番手あたりを追走。ジェンティルドンナは後方寄り10番手付近で、人気のジョワドヴィーヴルは最後方に近い位置取り。アラフネが刻むペースは半マイル47.1秒のたんたんとしたもので、大きな動きはなく3、4コーナーを進んでいく。

 直線入り口で先行馬がいっぱいになると、横に広がっての追い比べに発展。剛腕・内田博幸騎手のゲキに応えてヴィルシーナも加速するが、アイムユアーズと並んでいま一歩抜け出せない。一方のジェンティルドンナは素晴らしい伸び。後方からみるみる各馬をかわし、あっという間に先頭に並びかけてくる。

 急坂にかかったところでアイムユアーズを競り落とし、ヴィルシーナが先頭に立ったかに見えた。だが、その間は一瞬。外から岩田康誠騎手とジェンティルドンナがねじ伏せ、ゴールでは半馬身前に出ていた。3頭がもつれた叩き合いから、グイっとひと伸び。GIタイトルをつかみ、陣営は笑顔の花を咲かせた。

 悔しい結果となったのはヴィルシーナ。ビッグタイトルをつかみかけながら、ゴールまであとわずかなところで勝利を逃した。その着差はわずかに0.1秒とまさに紙一重。そんな2頭の激闘はオークス、そして秋華賞へと続くのであった。