駅伝の大学日本一をかけた5日の第55回全日本大学駅伝対校選手権大会(朝日新聞社など主催、長谷工グループ特別協賛)では、伊勢路のコース(名古屋~三重県伊勢市)を力走する選手たちに、沿道からも盛んな声援が送られた。(鈴木裕、山本知弘、高田誠)…

 駅伝の大学日本一をかけた5日の第55回全日本大学駅伝対校選手権大会(朝日新聞社など主催、長谷工グループ特別協賛)では、伊勢路のコース(名古屋~三重県伊勢市)を力走する選手たちに、沿道からも盛んな声援が送られた。(鈴木裕、山本知弘、高田誠)

 三重県四日市市羽津の第3中継所近くには「中央大学」ののぼりを持った父母連絡会三重県支部の西藤祥明さん(63)=菰野町=と佐藤奈巳さん(49)=桑名市=が駆けつけた。「優勝も狙える力があるチームで気合が入ります」(西藤さん)と声をからした。

 両親と妹と津市藤方の第6中継所で応援したのは、津市の中学2年で陸上部員の永見綾星(りょうせい)さん(14)。「選手は大きくて迫力があった。間近で見られて刺激になった」と話していた。

 伊勢神宮内宮前のゴール近くでは、ユーモラスな応援が目を引いた。14大会ぶり出場の東京農業大学の卒業生ら約50人による、母校名物「大根踊り」(青山ほとり)だ。収穫祭(学園祭)と重なって現役の応援団員が来られず、駆けつけた校友会県支部のメンバーらで急ごしらえの応援団をつくった。

 「そりゃ突き飛ばせ投げ飛ばせ~」。緑のユニホーム姿の選手が見えると、同じ緑のTシャツでそろえた卒業生らが大声で歌った。体の向きを左右に変えながら青葉のついた大根を突き上げる独特の踊りは、近くで応援する人たちの笑いを誘った。

 伊勢市在住の上永信介さん(82)は学生時代は応援団の常任委員だった。「後輩たちはがんばっているね。久しぶりに力が入りました。楽しかった」。県支部幹事長で県職員の伊藤知昭さん(54)は「みんなで一丸になれました」と笑顔で話した。

 沿道では各大学がのぼり旗を立て、応援団員らが最後の力を振りしぼる選手たちを励ました。立命館大学のチアリーダーの応援に合わせて手をたたいていた近所の女性(80)は毎年、応援に外に出るという。「若い人たちの走ったり応援したりする姿に元気がもらえます」と話していた。(鈴木裕、山本知弘、高田誠)