以前は朝日杯フューチュリティステークスの前哨戦的位置付けだったレースだが、朝日杯FSが阪神競馬場で行われるようになってから関連性が薄まってきている。過去10年でいえば19年タイセイビジョンと16年モンドキャンノがこのレースを勝って朝日杯…

 以前は朝日杯フューチュリティステークスの前哨戦的位置付けだったレースだが、朝日杯FSが阪神競馬場で行われるようになってから関連性が薄まってきている。過去10年でいえば19年タイセイビジョンと16年モンドキャンノがこのレースを勝って朝日杯FS2着。17年の優勝馬タワーオブロンドンが3着で、15年シャドウアプローチは両レースともに3着。どちらかといえば翌年春にマイル路線を歩む馬たちの2歳総決算レース的な意味合いを含んでいるレースだ。

 ◎ミルテンベルクは阪神競馬場芝1200m新馬戦優勝馬で小倉2歳S2着馬。初戦は次走であっさりと勝ち上がるドナヴィーナスに3馬身差、3着以下にはそこから7馬身の楽勝。モーリス産駒らしく前進気勢の強いところを見せていた。続く小倉2歳Sでは外枠だったことも幸いしたのかもしれないが、しっかりと折り合いをつけて進んだものの、勝ち馬の目標にされてしまったような格好になった。ディープインパクト産駒の母ペルレンケッテは芝1400mで全4勝を記録している馬だから、どこかで距離の壁はあるかもしれないがマイルまではこなしてくることを期待したい。

 〇アスクワンタイムは小倉2歳S優勝馬。全兄ファンタジストも小倉2歳Sに勝って本レースに優勝しており距離、舞台に不安は少ない。使いながらどんどん体重を増やしていった全兄に比較すると成長力にやや疑問がつくものの、過去3戦はいずれもメンバー最速、もしくは最速タイの上がりタイムを繰り出しており、完成度は高そうだ。今度は受けて立つ立場になるのがポイントになりそうだ。

 ▲コラソンビートは東京競馬場芝1600m未勝利戦の優勝馬で、ダリア賞勝ち馬。デビュー戦は3着だったとはいえ、勝ったのがボンドガールで、2着チェルヴィニアというハイレベルな1戦だった。430kg台という小柄な馬で、まだ粗削りな面は否定できないが前走で一応控える競馬ができたのは収穫だ。

 △ゼルトザームは函館2歳S優勝馬。ダートで一流の成績を残しているヘニーヒューズ産駒だが、アジアエクスプレスは朝日杯FSに勝ち、ワイドファラオ、ヘニーハウンドも芝重賞に勝っている。前走を見る限り長く良い脚を使える印象で簡単には見限れない。

 △ロジリオンは、今回と同じ東京競馬場芝1400m未勝利戦優勝馬。前走は重馬場だったので時計の比較はできないが向こう正面からスパートして最後は流す余裕があった。リオンディーズ産駒で、母はフェアリーS優勝馬。楽しみ広がる血統だ。