連日熱戦が続く「WTTチャンピオンズ フランクフルト」<10月29~11月5日>。女子シングルス2回戦で15歳の新鋭・張本美和(木下アカデミー)をゲームカウント3-1で下し、準々決勝に駒を進めた早田ひな(日本生命)が、1日に発表されたパリ五…

連日熱戦が続く「WTTチャンピオンズ フランクフルト」<10月29~11月5日>。

女子シングルス2回戦で15歳の新鋭・張本美和(木下アカデミー)をゲームカウント3-1で下し、準々決勝に駒を進めた早田ひな(日本生命)が、1日に発表されたパリ五輪の第6回選考会「2023全農CUP大阪大会<11月25~26日/Asueアリーナ大阪(大阪市中央体育館)>にエントリーしたことについて自身の気持ちを語った。

日本卓球協会ホームページに掲載されているエントリーリストの先頭には目下、700.5ポイントの大量得点で首位に立つ早田の名前がある。

432ポイントで2位の平野美宇(木下グループ)と268.5ポイント差。411.5ポイントで3位の伊藤美誠(スターツ)とは289ポイントの大差があり、4位以下の選手を含め早田が逆転される可能性はほぼない状況だ。

それでも早田は選考会にエントリーした。

パリ五輪代表の座は射止めたのも同然。選考会をスキップする選択肢もあるのではないか?
そんな声もある中で、なぜ早田は最後まで選考会に出場するのだろうか。

「中国人選手のトップ3に勝つとボーナスポイントが加算されるので、もし爆発力を発揮する選手がいて中国のトップ3選手に勝った場合を考えると、これで(自分の代表が)決まりということはない。

それに自分自身、練習をして試合をして、また練習をして試合をしてというふうにやっていく方が自信の付き方が違います。技術であったり戦術であったり、やはり試合の中で出来た方が自信はついていくので」

 早田が言うように、パリ五輪の代表選考基準では国際大会のシングルスで世界ランク3位以上の中国人選手に勝つと、1勝につき7ゲームマッチで15点、5ゲームマッチで10点が加算される。

第6回選考会のエントリー時にはまだ中国上位の孫穎莎、陳夢、王曼昱、王芸迪らが出場するWTTチャンピオンズ フランクフルトと翌週中国で開かれるWTTコンテンダー太原(11月7~12日)、12月のWTT女子ファイナルズ名古屋(12月15~17日)が残っていたため、早田以外の選手がボーナスポイントを手にする可能性もあった。

そのため早田は万が一を考え最後の選考会出場を決めた。

ちなみに残された代表選考ポイントの対象大会は第6回選考会と年明け1月の全日本選手権の2大会のみで、選考会で優勝すると100ポイント、全日本選手権で優勝すると120ポイントを獲得できる。

「よほど体調不良でない限り選考会に出て強い選手と試合ができるのが楽しみ。いつでもチャレンジャーの気持ちで頑張りたいなという思いがあってエントリーさせてもらいました」

そう言って目を輝かせる早田は、あくまでも女子日本のエースとして悲願の五輪の舞台に立つことにこだわる。


(文=高樹ミナ)

最新 女子五輪代表選考ポイント
女子上位10名(2023年10月30日現在)

順位 選手名 合計ポイント(世界ランク)
1位 早田ひな 700.5P(4)
2位 平野美宇 432P(17)
3位 伊藤美誠 411.5P(10)
4位 木原 美悠 272P(25)
5位 佐藤瞳 230P(230)
6位 張本美和 226.5P(14)
7位 長﨑美柚 206P(24)
8位 芝田沙季 185P(-)
9位 大藤沙月 162P(-)
10位 森さくら 161.5P(50)
※世界ランク updated on 2023/10/31