11月3日、4日の2日間に渡って米カリフォルニア州のサンタアニタパーク競馬場で行われるブリーダーズCで、最も優秀な成績を挙げた騎手に与えられるのが「ビル・シューメーカー賞」である。日本では聞き馴染みがないかもしれないが、現地でよく知られ…

 11月3日、4日の2日間に渡って米カリフォルニア州のサンタアニタパーク競馬場で行われるブリーダーズCで、最も優秀な成績を挙げた騎手に与えられるのが「ビル・シューメーカー賞」である。日本では聞き馴染みがないかもしれないが、現地でよく知られたタイトル。2日間で最も多くの勝利を挙げた騎手に贈られ、勝利数が同一の場合は2着以下の回数をポイントに換算して決定される(以上は昨年時のルール)。

 ここで賞の名前の由来となっているビル・シューメーカー氏について紹介したい。一言で言えば、レジェンドの中のレジェンド。49年に米国でデビュー。41年間の騎手生活で当時の世界最多勝記録となる8833勝を挙げた。58年には競馬殿堂入り。86年には54歳にしてケンタッキーダービーをファーディナンドで制し、同レースの最年長勝利を記録した。ノーザンダンサー、バックパサー、スワップスなど、歴史的名馬にも多く騎乗。ケンタッキーダービーを4勝、プリークネスSを2勝、ベルモントSを5勝など、米国のビッグレースを勝ちまくって90年に引退した。

 騎手引退後は調教師として活躍していたが、91年に起こった車の事故により首から下が麻痺状態となった。それでも調教師としての仕事は続け、13頭の重賞勝ち馬を含む157頭の勝ち馬を送り出し、97年に引退。03年10月に72歳で亡くなった。

 近年の受賞者を見ると、18年から21年までI.オルティスJr.が4連覇。昨年はR.ムーア騎手が15年以来、2回目の獲得で意地を見せている。今年のBCデーには、JRAから池添謙一騎手、川田将雅騎手、戸崎圭太騎手、三浦皇成騎手、C.ルメール騎手の5人が参戦予定。各騎手とも騎乗数が少ない中ではあるが、限られたレースの中で世界の名手に負けない存在感を見せてほしい。