第55回全日本大学駅伝対校選手権大会(朝日新聞社など主催、長谷工グループ特別協賛)が11月5日に開かれる。名古屋市の熱田神宮から三重県伊勢市の伊勢神宮までの8区間、計106・8キロの行程のうち愛知県内のコースは、愛知県警第1交通機動隊の白…

 第55回全日本大学駅伝対校選手権大会(朝日新聞社など主催、長谷工グループ特別協賛)が11月5日に開かれる。名古屋市の熱田神宮から三重県伊勢市の伊勢神宮までの8区間、計106・8キロの行程のうち愛知県内のコースは、愛知県警第1交通機動隊の白バイ隊員2人が先導役を担う。

 先導役を強く希望していたという中根駿介さん(32)と杉本聡太朗さん(32)。ともに経験豊富で、中根さんが中央分離帯側、杉本さんが歩道側を走る。

 幼少期から白バイ隊員に憧れていたという中根さんは「隊員の誇りを持って、やり遂げたい」。交差点からの車の飛び出しなどに警戒しつつ、選手との距離を約20メートルに保って先導する。「ミラーを見て選手との距離を測りながら警戒にあたるのは大変」と話す。

 一方、杉本さんは、同僚が先導役を務める姿をテレビで見て志願した。中根さんのバイクの速度に合わせ、沿道からの急な飛び出しに注意を払う。ブレーキランプで選手の気が散らないよう、アクセルの加減で速度を調整するなど気を配る。「先導役をやりたいという思いで仕事に励んできた。選ばれたからには、精いっぱいやりたい」

 2人は普段、交通違反を取り締まる。数々の悲惨な事故現場を目にしてきた経験から、取り締まり以外にもドライバーへの積極的な声かけを心がける。違反者には、過去の死亡事故について話をすることで、安全運転の大切さを呼びかけてきた。

 「選手がたすきをつなぐように、三重県警にたすきをつなぐのが私たちの任務」と杉本さん。選手と観客の安全を守る大役を前に2人は気を引き締める。(米田怜央)