冬季五輪・パラリンピック招致をめぐり、札幌市と競技団体との連絡会議が1日開かれた。改めて2030年招致を断念する意向を表明した市に対し、競技団体側からは34年の開催も絶望視されていることを踏まえ、招致の継続やウィンタースポーツの普及を求め…

 冬季五輪・パラリンピック招致をめぐり、札幌市と競技団体との連絡会議が1日開かれた。改めて2030年招致を断念する意向を表明した市に対し、競技団体側からは34年の開催も絶望視されていることを踏まえ、招致の継続やウィンタースポーツの普及を求める声が上がった。

 札幌カーリング協会の野長瀬隆副会長は、ロコ・ソラーレ(北見市)の五輪での活躍で競技希望者が増えたことに触れ、「大変残念」と語った。一方で、競技施設が十分でない現状もあげ、「裾野を広げるためには、基礎的な部分がないとなかなか広まらない」と指摘した。

 札幌市障がい者スポーツ協会の浅香博文会長は「障がい者スポーツの拠点施設が脆弱(ぜいじゃく)」との認識を示し、道内から選手が流出する懸念に触れた。「心のバリアフリーを構築するのは、決してお金には代えがたい」と大会招致の意義を語った。

 全日本スキー連盟の勝木紀昭会長は会議後、地元開催の先送りでピークを過ぎる選手が多くいることに触れ、「選手に対してここ何日かは申し訳ないと言い続けている」と説明。「今後も招致を進めていくべき」とした一方で、スポーツの魅力発信や施設状況に対する説明を念頭に、「市民、道民、国民に理解してもらうために、全力を尽くさないといけないだろう」と話した。

 連絡会議は昨年7月、機運醸成にむけて開催された。しかしその後、東京大会をめぐる汚職・談合事件が発覚し、市は12月に機運醸成活動を休止を発表していた。(古畑航希)