NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第11戦「Eldora Dirt Derby 150」が7月19日(水)に米国北部オハイオ州ロスバーグのダートオーバル、エルドラ・スピードウェイで開催された。アメリカではダートオーバルで…

NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第11戦「Eldora Dirt Derby 150」が7月19日(水)に米国北部オハイオ州ロスバーグのダートオーバル、エルドラ・スピードウェイで開催された。
アメリカではダートオーバルで行われるレースも盛んであり、全国的なシリーズ戦の他、各地でローカルレースも数多く開催されるなど親しみのあるレースである、
NASCARも60年代まではダートレースが行われていたが、舗装化が進み、70年を最後にトップシリーズでのダートレースは行われていなかった。2013年にトラック・シリーズで久しぶりのダートレースが復活。以来、夏の夜のイベントとして人気を博し、今年が5度目の開催となる。
2015年には、今季シリーズ最多の3勝を挙げているクリストファー・ベルがデビュー3戦目にして自身初勝利を挙げたコースでもある。NASCARはダートオーバル上がりのドライバーも多いが、今大会はその他、ダートオーバルシリーズのチャンピオンなどダート・スペシャリストも多くスポット参戦した。 

ダートレースということもあり、通常とは異なるフォーマットでレースは実施。1台ずつの予選のあと、予選結果によって5グループに分けた予選ヒートレース(各10周:上位5台が決勝進出)とラストチャンスレースを行って、決勝レースのグリッドと出場車両を決定。
予選ヒート2を制したクラフトンが2番手、ヒート4を制したベルが4番手グリッドにつけた。
19日(水)午後9時50分、0.5マイルダートオーバルを40周、50周、60周の3ステージ合計150周(75マイル:約120km)して競われる決勝レースが、このレース独特の4ワイド隊列でのパレードラップの後にスタート。各車土煙を上げ、タイヤをスライドさせながらの激戦が展開された。
ステージ1の終盤、残り7周での再スタートでは、2位のベルと3位のクラフトンが首位争いを展開。イン側のクラフトンが首位に立ち、アウトのベルは前車をパスしようと狙ったが、痛恨のスピン。そこに後続が突っ込み、車両にダメージを追ってしまった。
このアクシデントにより出されたイエローコーションままステージ1は終了。クラフトンがステージウィン、ライアン・トゥルーエクスが7位、グラント・エンフィンジャーが8位に入った。
ベルはステージ1のクラッシュで23位まで後退していたが、ステージ2で見事な追い上げを見せ、トヨタ勢最上位の4位フィニッシュ。グラント・エンフィンジャーが6位、今季初出場でダートオーバルチャンピオンであるリコ・アブリューが8位、クラフトンが9位に入った。
ステージ3では、118周目に好走を見せていたアブリューが壁にヒットしリタイア。首位争いを展開していたベルは、残り25周で右前タイヤのパンクに見舞われ後退。
残り19周でリスタートが切られると、クラフトンが首位へ浮上。クラフトンはそのまま逃げ切り、昨年の第6戦以来27戦ぶりの勝利、自身にとっては初のダートレースでの勝利を飾った。エンフィンジャーが4位、19歳になったばかりのノア・グラッグソンが7位、ベルが9位でトップ10フィニッシュを果たした。 

次戦第12戦は7月29日(土)にポコノ・レースウェイで開催される。

ドライバー マット・クラフトン:
「私にとって初めてのダートレースでの勝利で、本当に楽しかった。このレースのために、他のダートレースに幾つか参加し、ライン取りなど多くを学んだ。正直なところ、それまでは全く経験が無く、これからも学び続けなくてはならないと思っている。レース序盤は好調で、ステージ1で勝つことが出来た。ステージ2へむけ若干セッティングを変えたのだが、裏目に出てポジションを落とすこととなり、追い上げなくてはならなかった。 リコ(アブリュー)とクリストファー(ベル)がアウト側ギリギリを走っていたが、正直私には彼らのようなを走りは出来なかった。彼らの走りは文句なく素晴らしいショーだった。それでも最後はイン側のラインでアドバンテージを得られて、勝つことが出来た。本当に嬉しい」