18年ぶりのセ・リーグ優勝を果たし、日本シリーズ進出も決めた阪神タイガース。岡田彰布(あきのぶ)監督はインタビュー時に「おーん」を多用する。 記者にもお茶の間にも親しまれており、文字化される場合も多い。特に意味はなく、間をとるだけの発言と…
18年ぶりのセ・リーグ優勝を果たし、日本シリーズ進出も決めた阪神タイガース。岡田彰布(あきのぶ)監督はインタビュー時に「おーん」を多用する。
記者にもお茶の間にも親しまれており、文字化される場合も多い。特に意味はなく、間をとるだけの発言とみられるが、岡田監督の場合だとなぜこれほど人気を集めるのか。
そもそも本当に「おーん」と言っているのだろうか。
気になった記者は音声科学、音響心理学を専門にする日本音響研究所(東京都)の鈴木創所長に音声分析をお願いした。
依頼したのは、セ・リーグ優勝前日、9月13日にあった巨人戦後の監督インタビュー(阪神タイガースが運営する公式ユーチューブチャンネル https://www.youtube.com/watch?v=MWbDSjKxn8M)だ。
終盤、「アレ(優勝)に向けて明日はいかがでしょう」という質問に対し、「えー、明日は誰だ、才木(投手)か。おーん。まあ、力み倒すだろうなあ」と答える場面。岡田監督は1秒ほどかみしめるように「おーん」と発言しており、記者からは笑い声も上がっている。
声紋を解析した鈴木さんによると、まず、「おーん」という表記に間違いないという。「本当にきれいな『おーん』でびっくりしました」
音声の周波数スペクトルにおいて周囲よりも強度が大きい「第1フォルマント」と「第2フォルマント」を使って母音を調べたところ、発音記号の「O」にあたる「とてもきれいで平均的な『お』」に該当した。
さらに声紋は、安定した横しま模様を示しており、これは音引き記号「ー」で表すのが妥当だった。
最後は、口を閉じるために高い周波数成分が消えて「ん」になるという。