今週の日曜日は、京都競馬場で菊花賞(GI)が行われます。  過去10年の菊花賞では4角7番手以内の馬が9勝を挙げています。唯一、4角8番手以下から勝利したのは15年のキタサンブラックです。この時は道中で内目を通り距離ロスを最小限に抑え、…

 今週の日曜日は、京都競馬場で菊花賞(GI)が行われます。

 過去10年の菊花賞では4角7番手以内の馬が9勝を挙げています。唯一、4角8番手以下から勝利したのは15年のキタサンブラックです。この時は道中で内目を通り距離ロスを最小限に抑え、直線でも内から馬群を捌き勝利を挙げています。キタサンブラックはその後にGIを6勝していますので能力が高かった事も勝因のひとつと考えられますが、距離ロスを抑えた事も勝った要因と言えそうです。

 今回と似たような舞台のGIと言えば天皇賞(春)(GI)があります。今年の天皇賞(春)は4角4番手以内の馬でワンツー決着となっています。菊花賞でも同じような傾向になる可能性が高いと考えられますので、勝負所である程度の位置につけられるような馬を中心に見るのがいいのかもしれません。

 今年の菊花賞には17頭が出走を予定。上位人気が予想されるのは皐月賞(GI)を制したソールオリエンス、日本ダービー(GI)で世代の頂点に立ったタスティエーラ、前走神戸新聞杯(GII)を制し勢いに乗るサトノグランツ、その神戸新聞杯で3着だったファントムシーフなどです。

 そのほかにも日本ダービーで3着と好走したハーツコンチェルト、未勝利勝ちから破竹の4連勝で大舞台に挑むドゥレッツァ、前走新潟記念(GIII)で古馬相手に重賞初制覇を飾ったノッキングポイントなども出走を予定します。

 はたしてAIはどういった結論に至ったのか。早速ですが、AIに弾き出された注目馬をご紹介します。

◆条件好転で本領発揮! 名手の手綱さばきにも注目

 今週の菊花賞でAIが本命に抜擢したのは、上位人気が予想されるファントムシーフでした。

 週初の本命候補3頭には挙がっていなかった本馬ですが、その予想が一転しファントムシーフに高評価が与えられました。

 今年の皐月賞では1番人気の支持を集めましたが3着に終わります。しかし、この時は重馬場の中、道中で落鉄するアクシデントがありながらの結果です。道悪で落鉄しながらも上位争いに絡めたのは本馬の能力が高いからと言えます。

 続く、日本ダービーでは外目の枠(7枠14番)を引いた上に、直線では瞬発力勝負になった事も響き8着に敗れます。前走の神戸新聞杯ではスローの逃げに持ち込む事は出来ましたが、速い時計が出る馬場が合わなかったのか3着に粘るのがやっとという内容でした。

 近走を見る限り、ファントムシーフは切れ味が求められる条件よりも、長く脚を使う事が求められる条件に適性があるのではないかと感じます。そういう意味では今回の芝3000mは近走に比べると条件は好転しているのではないでしょうか。

 また、鞍上の武豊騎手は菊花賞で歴代最多の5勝を挙げており、菊花賞の勝ち方を最も知っている騎手と言っても過言ではありません。ファントムシーフとはここ2戦でコンビを組み、すでに手の内には入れているでしょうし、名手の手綱さばきにも注目したいところです。