クラシックの登竜門とされるアイビーステークス(2歳・リステッド・芝1800m)は、総額8億6000万円の超良血馬対決に注目が集まる。  昨年のセレクトセール1歳で4億5000万円の値が付いたダノンエアズロック(牡2、美浦・堀宣行厩舎)は…

 クラシックの登竜門とされるアイビーステークス(2歳・リステッド・芝1800m)は、総額8億6000万円の超良血馬対決に注目が集まる。

 昨年のセレクトセール1歳で4億5000万円の値が付いたダノンエアズロック(牡2、美浦・堀宣行厩舎)はモーリス産駒で、母が豪G1を4勝したモシーンという血統。20年の東京新聞杯など重賞を3勝したプリモシーンの半弟となる。

 6月に今回と同舞台となる東京の新馬を好時計で完勝。モーリス産駒らしく、スパッと切れるイメージはないものの、長く渋太い脚が印象的だった。2歳夏という時期を考慮しても緩く映る馬体は、逆に言うと伸びシロの塊。来春のクラシックはもちろんだが、古馬になって更に良くなりそうな逸材だ。

 もう1頭のホウオウプロサンゲ(牡2、栗東・矢作芳人厩舎)は、一昨年のセレクトセール当歳において4億1000万円で落札された。父キズナ、母セルキスという血統で、19年のクラシック戦線を沸かせたヴェロックスの半弟となる。

 7月新潟のデビュー戦は物足りない内容の4着だったが、中1週で挑んだ小倉で初勝利。勝負所で置かれかけたが、エンジンがかかってからの脚は見どころがあった。矢作厩舎はレースを使いながら力を付ける馬が多く、これからパフォーマンスが上がることは確実。今後の成長次第では、兄が果たせなかった重賞制覇、さらにはクラシックのタイトルも見えてくるはずだ。

 リステッドではもったいないぐらいの超高額馬対決。来年のクラシックに弾みをつけるのはどちらか、楽しみだ。