クラシック三冠の最終戦。20年にコントレイルが無敗で三冠を達成して以来、3年ぶりに京都に舞台が戻ってきた。使用される京都芝3000mは3コーナー付近にある急こう配のアップダウンを2回通るトリッキーな条件であり、出走各馬は3000mという…

 クラシック三冠の最終戦。20年にコントレイルが無敗で三冠を達成して以来、3年ぶりに京都に舞台が戻ってきた。使用される京都芝3000mは3コーナー付近にある急こう配のアップダウンを2回通るトリッキーな条件であり、出走各馬は3000mという未知の距離を走り切るスタミナに加え、道中をうまくやり過ごす折り合いや立ち回りの巧さも高いレベルで要求される。

1.凡走からの巻き返しは困難

 京都開催だった直近の20回で、前走6着以下だった馬は1勝しかしておらず、2着も3回だけ。前走凡走した馬がここで巻き返す余地は大きくないと言える。

2.上がりの速さと持続力が要求される

 3〜4コーナーからのロングスパートになるのが通例で、後半に長く良い脚を使えるかという観点で見劣る逃げ・先行馬は例年苦戦しがち。京都開催だった直近の20回で、前走上がり3ハロンタイムが1位だった馬は複勝率23.4%、2位だった馬は複勝率26.0%なのに対し、4〜5位は複勝率13.7%、6位以下は複勝率10.3%。

3.軸は継続騎乗の馬から

 京都開催だった直近の20回で、前走と同騎手だった馬の成績が[17-13-16-189]で複勝率19.6%なのに対し、乗り替わりの馬の成績は[3-7-4-106]で複勝率11.7%。また、乗り替わりで勝った3頭のうち、初騎乗だったのは18年フィエールマンのルメール騎手だけだった。京都の長丁場という難しい条件において、乗り替わりがプラスに働くケースは多くない。

 サトノグランツは前走の神戸新聞杯などの内容から分かるように、一瞬の脚という点では他の上位馬に見劣るものの、その代わりに長い末脚という特長を持っている馬。春の日本ダービーでは不発に終わったが、今回の条件なら逆転も可能と見る。