国内メジャー第3戦「日本オープン」が先週幕を閉じた。初日から好スタートを切った石川遼は、一時首位に立つなど4日間を通して好調を維持。しかし最終日に猛チャージを仕掛けた岩﨑亜久竜を捉えられず、日本オープン通算3度目の2位で大会を終えた。 結果…

国内メジャー第3戦「日本オープン」が先週幕を閉じた。初日から好スタートを切った石川遼は、一時首位に立つなど4日間を通して好調を維持。しかし最終日に猛チャージを仕掛けた岩﨑亜久竜を捉えられず、日本オープン通算3度目の2位で大会を終えた。

結果は悔しいものではあったが、今季ベストの2位フィニッシュ。非常に内容の濃い4日間となったことは間違いない。特に4日間パー3を除く14ホールすべてでドライバーを握ったことは、今の石川の状態の良さを表している。そしてその状態の良さはスタッツにも現れている。

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■スタッツから見える石川の進化

石川のスタッツを見ると、ドライバーは平均307.18ヤードという自己最高を記録しながら、フェアウェイキープ率は53.103%。日本オープン開幕直前のフェアウェイキープ率も52.941%と、過去のスタッツと比較しても高い水準を維持している。これは4年ほど前から着手してきたスイング改造の成果と見ていいだろう。

さらにドライバーショットの好調さはティーショットの精度を上げただけでなく、セカンドショットやパッティングにも良い影響を与えている。

今季の石川のパーオン率は70.370%(6位)。これは規定ラウンド数をクリアした年で比較すると、2014年の70.560%に次ぐ2位の成績となっている。

パーオン率70%を超えるためには全体的なショット精度が求められる。特にパー4やパー5ではセカンドショット以降が重要であり、そのためには打ちやすい場所にボールを運べるティーショットの精度が前提として必要となってくる。パーオン率をここまで高い水準で維持できているのは、ドライバーの精度が上がっていることの現れでもある。

またパーキープ率を見ると、今季は86.296%とこちらも自身2番目の記録。パーオン時の平均パットも1.7322(11位)と賞金王を獲得した2009年に近い数値を残している。

パーオン時の平均パットを縮めるためには、ピンに近づけられる高いショット精度が必要で、今季の石川はそれもクリアしていると見て良い。

その証拠に、今季はパー5だけでなくパー4やパー3でもスコアを縮めることに成功。これはドライバーショットの安定感と自信がアイアンショットやパッティングのリズムなどに良い影響を与え、スコアを縮めるにはミスの許されないパー4やパー3でのスコアアップに繋がっていると考えられる。結果としてプロ16年目にして一番安定したスタッツを残すことにも繋がっている。

あとは優勝という結果のみ。残りの試合を見ると、滑り込みで出場権を手に入れたZOZOチャンピオンシップに続き、過去3回優勝している三井住友尾VISA太平洋マスターズや、2回の優勝経験があるゴルフ日本シリーズなど、高額賞金が手に入る大会や、何度も制している舞台が控えている。今回の日本オープンで見せた“全ドラ”で突っ張れるショット精度なら、今季初勝利も近いだろう。

日本オープンでは多くのギャラリーを引き連れて最終日を回った。多くのファンは石川の優勝を待ちわびているに違いない。残りの数試合、石川らしさ全開のプレーでファンを湧かせてほしいところだ。

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(G.Tsukamoto/SPREAD編集部)