暮れに行われる中山大障害へのステップレース的位置づけにあるレースで、過去10年でいえば、このレースをステップにした馬は中山大障害で【5-2-3-8】。16、17年オジュウチョウサン、19年シングンマイケル、20年メイショウダッサイが本レ…

 暮れに行われる中山大障害へのステップレース的位置づけにあるレースで、過去10年でいえば、このレースをステップにした馬は中山大障害で【5-2-3-8】。16、17年オジュウチョウサン、19年シングンマイケル、20年メイショウダッサイが本レースと中山大障害を連勝しており、21年オジュウチョウサンは本レース3着のち大障害を制している。ポイントは最終障害をクリアしてからゴールまで400m弱の直線平地コースを走り切らなければならないこと。障害センスはもちろんだが、平地の脚も求められるコース設定になっている。

 ◎ジューンベロシティは春の東京ジャンプステークス優勝馬。この時は出遅れて前半は後方からの競馬となったが、2周目の3角から一気に前に取り付き、最終障害を飛んでから抜け出した。最後はやや一杯気味だったが、勝ったことを評価したいし、前走の阪神ジャンプSでは障害重賞3勝馬を力でねじ伏せた。障害転向2戦目の初勝利から6戦4勝2着1回。唯一、着外に敗れた中山グランドジャンプも2着馬から1.8秒差なら健闘の部類だ。実績あるコースでV3を狙う。

 〇ホッコーメヴィウスは昨年、一昨年の2着馬。逃げ、先行力とバテない強みを生かして東京ジャンプSも2着2回とコース巧者だ。昨秋の京都ジャンプSを勝ったのちの脚部不安で長期休養後は精彩を欠いていたが、前走の阪神ジャンプS2着で復活の兆しが見えた。もう、侮れない存在だ。

 ▲ニシノデイジーは昨年の中山大障害優勝馬で、春の中山グランドジャンプ1番人気。この時は大きく出遅れたうえに道中のリズムも悪かった。途中、ポジションを上げていったが、馬場状態も気に入らなかったか、最後は心が折れたように失速してしまった。東京コースは秋陽ジャンプS2着で経験があり、平地時代には東京スポーツ杯2歳Sを勝った相性の良いコース。五十嵐騎手に手が戻り復権を狙う。

 △イロゴトシは今春の中山グランドジャンプ優勝馬。当時は馬場状態も含めてすべてが上手くいったという印象だが、障害2戦目で初勝利を記録し、直後のペガサスジャンプS3着というのは並みの馬にできる芸当でもない。京都ハイジャンプを勝って挑む△ダイシンクローバー、春の東京ジャンプS3着△トライフォーリアルも差がない印象だ。