バスケットボールの国内リーグの秋田県勢は14日、Bリーグ1部(B1)の秋田ノーザンハピネッツがホーム初戦を迎え、「CNAアリーナ☆あきた」で島根スサノオマジックと対戦する。女子のWリーグも開幕し、アランマーレ秋田は県立体育館でENEOSサ…

 バスケットボールの国内リーグの秋田県勢は14日、Bリーグ1部(B1)の秋田ノーザンハピネッツがホーム初戦を迎え、「CNAアリーナ☆あきた」で島根スサノオマジックと対戦する。女子のWリーグも開幕し、アランマーレ秋田は県立体育館でENEOSサンフラワーズと顔を合わせる。

 秋田ノーザンハピネッツは、アウェーでの開幕カード2試合は1勝1敗。ホームで勝ち星を先行させられるか、課題と見どころを探る。

 札幌市で7、8日にあったレバンガ北海道との開幕戦では、今季の秋田の持ち味と課題が表れた。2試合とも試合開始直後から激しい守備でボールを奪い、攻撃につなげて得点を重ねた。だが、中盤以降は失速。ボール奪取から速攻を仕掛けるもシュートを外す場面が増え、徐々に相手に試合の主導権を奪われた。

 7日の第1戦は相手の追い上げをかわし、69―59で勝利。8日は第1クオーター(Q)で24―13としながら、第2Q以降はいずれも相手にリードを許し、70―79で敗れた。2ポイントシュートの成功率は53・3%と、相手を約15ポイント下回った。

 激しい守備でボールを奪いながら、得点につなげられない傾向は、開幕直前にあった天皇杯2次ラウンドの横浜ビー・コルセアーズ戦でも見られた。9月24日に秋田県大館市であった試合で、横浜の司令塔・河村勇輝選手(22)からたびたびボールを奪ったが、シュート成功率(フリースローを除く)が29・3%にとどまり、55―70と完敗。古川孝敏主将(35)は「僕ら選手が練習から意識して、プレーの質を高めないといけない」と語った。

 北海道戦ではチームの得点力不足改善は見られなかったが、明るい話題もあった。

 8日の試合では、昨季途中の大けがから復活した田口成浩選手(33)が3ポイントシュート3本を含む17得点と、チーム最多得点。長距離シュートが得意なベテランの復活に、前田顕蔵ヘッドコーチも「復帰してから、どんどん自信をつけている」と期待を寄せる。

 新加入の日本人選手3人のうち、中国で行われていたアジア大会に日本代表として参加していた赤穂雷太選手(25)と、熊谷航選手(27)がチームに戻ってきたのも明るい材料だ。選手交代がやりやすくなり、攻撃に変化をつけることもできる。

 島根はペリン・ビュフォード選手ら強力な外国人選手を擁し、昨季は西地区2位でチャンピオンシップ(CS)に出場した強豪。東地区4位でCSを逃した秋田は、ロバート・ベイカー選手やジェフリー・クロケット選手ら新外国人選手の活躍にも期待したい。(井上潜)

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 アランマーレの会場の県立体育館では開幕翌日の15日、秋田商高の特設の売店が登場し、生徒のこだわりが詰まったメニューで集客を後押しする。売店で出されるのはシフォンケーキにスコーン、ラズベリージュースのほか、韓国風おにぎりや豚汁の予定だ。

 秋田商高は、3年生がビジネス体験学習でアランマーレの集客イベントに取り組んだ。会計、流通経済、情報の3コースの生徒で10人ほどの班を作って活動。9月に20班で開かれた発表会では、フリースロー大会などの企画も出たが、飲食系が高く評価され、飲食店が調理を担当してくれた。

 「安くすれば売れるわけではないことは授業でやっている。お客さんの心を動かさないとビジネスは成立しない」と担当教諭。

 メニューには生徒の思いがこもる。スイーツは米粉を使い、秋田の隠れた魅力発見がテーマ。ラズベリージュースは女性ファンの開拓を狙う。おにぎりと豚汁で使う米や野菜、みそ、豚肉は県産で、地産地消にこだわった。相手のENEOSは昨季王者で県外ファンの来場も見込まれ、秋田をPRする機会にもなる。

 授業での集客イベントの立案を持ちかけたアランマーレの運営会社・コールセンター大手「プレステージ・インターナショナル」の担当者は「若い人たちが秋田を盛り上げてほしい」と願っている。(隈部康弘)