【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】 ◆知っておきたい! 血統表でよく見る名馬 【テスコボーイ】  1970年代から80年代にかけて、日本競馬にスピード革命をもたらしました。1967年にイギリスから輸入され、197…

【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】

◆知っておきたい! 血統表でよく見る名馬

【テスコボーイ】

 1970年代から80年代にかけて、日本競馬にスピード革命をもたらしました。1967年にイギリスから輸入され、1974、75、78、79年と4回チャンピオンサイアーの座につきました。その父系は半世紀以上を経た現在も、ビッグアーサーなどに受け継がれています。20世紀半ばの最も優秀なスピード型種牡馬といえば、英愛と北米の双方で首位種牡馬となったナスルーラ(1940年生)ですが、テスコボーイはその直系の孫で、トウショウボーイ、テスコガビー、キタノカチドキ、サクラユタカオー、ハギノカムイオーをはじめ多くの名馬を送り出しました。

 トウショウボーイは日本で初めて芝1600mを1分33秒台、芝2000mを1分58秒台で走った画期的なスピード馬で、テスコガビーは桜花賞を大差、オークスを8馬身差で圧勝しました。サクラユタカオーは毎日王冠、天皇賞・秋で、それぞれ芝1800mと芝2000mの日本レコードを樹立しました。サクラユタカオーの仔サクラバクシンオーは近年最高のスプリンター種牡馬となり、現役時代に史上初めて芝1400mで1分20秒の壁を破りました。その息子がビッグアーサーです。テスコボーイは気難しさを伝える血でもありますが、近い世代に一本入るだけでスピード面は安心、と思えるほど存在感のある優秀な血でした。

◆血統に関する疑問にズバリ回答!

「冬に向けて準備したい! 寒さに強い血統っている?」

 冬場はダートの番組が増えます。したがって、基本的にダート向きの種牡馬は冬季の成績が上昇する傾向が見られます。シニスターミニスターもマジェスティックウォリアーもそうです。

 2021年から全日本ダート種牡馬ランキング(中央ダート+地方)でトップの座にあるヘニーヒューズは、明らかに冬季の成績が優れています。3〜10月の連対率が18.8%であるのに対し、11月〜2月は20.7%と上昇します。

 芝向き、または芝・ダート兼用タイプの種牡馬でも、たとえばロードカナロア、ミッキーアイルなどは冬季の成績が優れています。気温が下がるこれからの時期は積極的に狙ってみたい種牡馬です。