優勝を決めたフェルスタッペンも以前は「世界選手権としては分離し過ぎている」と違和感を漏らしていた。(C)Getty Images F1第18戦カタールGPのスプリントが10月7日、ロサイルサーキットで開催され、2位でフィニッシュした…

優勝を決めたフェルスタッペンも以前は「世界選手権としては分離し過ぎている」と違和感を漏らしていた。(C)Getty Images

 F1第18戦カタールGPのスプリントが10月7日、ロサイルサーキットで開催され、2位でフィニッシュしたレッドブルのマックス・フェルスタッペンが翌日の決勝レースを待たずに3年連続3度目のワールドチャンピオン獲得を決めた。決勝の前日にタイトルが決まるのは史上初だが、予選でも決勝でもないスプリントの在り方について議論を呼びそうだ。

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 スプリントはグランプリ2日目に開催される約100キロのショートレースで、2021年第10戦イギリスGPで初導入された。当初は「スプリントクオリファイング」と呼ばれ、決勝のスターティンググリッドを決める予選レースのような存在だったが、2023年からは予選や決勝のグリッドに反映されない独立したレースに改められた。

 金曜日に決勝のグリッドを争う予選、土曜日にスプリントのグリッドを決めるスプリントシュートアウトが実施されることになり、今季はアゼルバイジャンGP、オーストリアGP、ベルギーGP、カタールGP、アメリカGP、サンパウロGP(ブラジル)の6大会で採用されることが決められた。

 フェルスタッペンがスプリントでチャンピオンが決まったのはポイントがつくから。決勝が優勝25点を筆頭に10位までポイントが与えられるのに対し、スプリントの勝者には6点が入り、得点は8位まで。昨季までは1位3点―2位2点―3位1点だった。

 スプリントの導入に対しては十分な審議がされなかったとみる向きもある。例えば、ポールポジションの記録だ。導入初年度はスプリント予選の勝者がポールポジションと定義された。ただ、伝統として予選を制した選手がポールシッターとして称賛されていたことから異論が噴出し、昨季は予選の最速タイムを記録した選手に与えられていた。

 今季からスプリントは独立したレースとなり、予選の最速ドライバーが原則的にポールポジションとなる。その一方で、レース終盤にスプリントの結果でチャンピオンが決まる可能性があることが指摘され、決勝レースの価値が下がるのでは、と危惧する声も少なくなかった。

 海外メディアによると、英放送局スカイF1のデビッド・クロフト解説者はかつて「コンセプトは好きだが、同じ世界選手権として組み込まれるのはどうか。むしろ2つの選手権に分けた方がいいのでは」と語り、グランプリ初日にスプリントを実施すべきでは、と提案。フェルスタッペン本人も以前は「これまでは土曜の朝まではでフリー走行、土曜に予選、そして日曜に決勝という流れだった。世界選手権としては分離し過ぎている」と違和感を漏らしていた。

 8日のカタールGP決勝から最終戦アブダビGPまでは事実上の消化試合となる。金曜日に予選が設定されて、金曜日の視聴者はかつてよりも増えているようだが、F1パドックでもスプリント反対の意見が根強くあるという。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]


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