因縁のダービーマッチはオレンジ軍団に軍配――。J2清水エスパルス(3位)とジュビロ磐田(2位)が対戦する「静岡ダービー」が7日、IAIスタジアム日本平(静岡市清水区)であり、1―0で競り勝った清水がJ1自動昇格圏内の2位に再浮上。一方、磐…

 因縁のダービーマッチはオレンジ軍団に軍配――。J2清水エスパルス(3位)とジュビロ磐田(2位)が対戦する「静岡ダービー」が7日、IAIスタジアム日本平(静岡市清水区)であり、1―0で競り勝った清水がJ1自動昇格圏内の2位に再浮上。一方、磐田は3~6位で争うプレーオフ圏の4位に後退した。屈辱の「ダブルJ2陥落」から1年でのJ1復帰をめざす両クラブは、ともに今季4試合を残している。

 両クラブが名勝負を繰り広げてきた伝統の一戦。舞台はJ2に移ったが、勝者がJ1復帰に前進する大一番の直接対決でチケットは完売。会場にはアイスタで今季最多の1万8871人が詰めかけ、客席は清水カラーのオレンジと磐田のサックスブルーに染まった。

 試合は両クラブが「絶対に負けられない」と闘争心を前面に序盤から激しくボールを奪い合う展開に。前半41分、清水の元日本代表FW乾貴士が前線のこぼれ球を見逃さず、得意の右足を振り抜き先制。前節に藤枝MYFCに0―2で敗れた悪い流れを断ち切った。

 磐田は後半早々にMF古川陽介、同15分にはFW後藤啓介と成長株の若手を投入。終盤には元日本代表のMF遠藤保仁も入れ、ゴール前で押し込む場面を増やしたが、体を張って守った清水DF陣や元日本代表GK権田修一らに得点を阻まれ、一歩及ばなかった。

 乾は試合後のインタビューで「残り4試合全部勝つ。順位を譲らずに、最後までいきたい」と話した。

 磐田の横内昭展監督は記者会見で、「不運な失点だった。自分たちの手で昇格をたぐり寄せる準備をしていきたい」と語った。(床並浩一)

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 ジュビロ磐田の本拠地ヤマハスタジアム(磐田市新貝)は無料開放され、地元のサポーターら約千人が、大型ビジョンに映る選手に声援を送った。

 前半に先制を許し、1点を追いかける厳しい展開に。試合終盤にコーナーキックなどの好機が続くと、サポーターは最後まで旗やタオルを振り続けた。市内の会社員の男性(43)は「最後の最後まで得点できそうだったのに。今季は残り4試合、全力で応援したい」と悔しがった。

 J1昇格を争う試合でチケットの入手が難しいとあって、クラブは磐田市と協力してパブリックビューイングの開催を決めた。スタジアム前の広場ではマルシェが開かれ、地元の農産物などが販売された。(大平要)