バレーボール男子のパリオリンピック(五輪)予選は7日、東京大会第6日が国立代々木競技場で行われ、日本は1敗で並んでいたスロベニアに3―0でストレート勝ちして5勝1敗とし、来年のパリ五輪出場を決めた。五輪切符を得られる2位以内が確定した。開…

 バレーボール男子のパリオリンピック(五輪)予選は7日、東京大会第6日が国立代々木競技場で行われ、日本は1敗で並んでいたスロベニアに3―0でストレート勝ちして5勝1敗とし、来年のパリ五輪出場を決めた。五輪切符を得られる2位以内が確定した。開催国枠で出場した東京五輪に続く2大会連続で、2008年北京大会以来となる自力での出場権獲得となった。

 無敗の米国もセルビアに勝利し、五輪出場権を確定させた。

 日本は石川祐希の4連続得点などで第1セットを逆転で奪い、流れをつかんだ。

■ブラン流でつかんだ五輪切符と自信

 日本のブロックが相手の強打に触れた。第1セット、14―16の場面。こぼれ球に反応した高橋藍がつなぎ、石川祐希がスパイクを決めた。スロベニアはタイムアウト。流れを奪い返した日本は一時、5点あった点差をひっくり返し、第1セットを取った。

 粘り強い守りこそ、今の日本の武器だ。フィリップ・ブラン監督がコーチに就任した2017年から力を入れてきた。高さがない日本は、ブロックで止めきれない。相手のコースを限定して、打たせたコースで構える選手が拾うという戦い方だ。

 当初は無理にブロックに行って、失点につながったこともあった。ただ、東京五輪で29年ぶりの8強入りという結果が選手の意識を変えた。「このやり方で良いんだ」と。

 今予選の序盤、この守りがうまくいかなかった。ブロックをする側と拾う側の選手で狙いがずれ、失点を重ねた。第2戦は格下エジプトに敗戦。空気を変えたのは、第3戦から先発した高橋健太郎だ。「このコースを閉める」「ここは拾って」。言葉と身ぶりで細かく確認した。役割を明確にすると、守備力が高い山本智大と高橋藍が輝いた。

 3戦目から全てストレート勝ち。主将の石川は満員の観客を前に言った。「自分たちを信じて戦った結果が出た」。つかんだのは、パリ行きの切符だけではない。戦い方への自信もだ。(藤野隆晃)